講演概要


1日目:11月1日(水)  2日目:11月2日(木)

※プログラムの内容は、予告なく変更する場合がございますのであらかじめご了承ください。

11月1日(水):ユーザー会議(1日目)
「ここまできた磁界解析技術と今後の展望」
同志社大学 工学部電気工学科 藤原 耕二氏
数値計算理論と計算機環境の進歩により、特に最近の約10年において、磁界解析を用いた機器やデバイスの特性評価技術は飛躍的に向上したと考えられる。例えば、回転機の磁界解析では、スキューの効果を三次元で考慮することが可能になっただけでなく、焼きばめに伴って固定子に付与された応力に起因する磁気特性の劣化を考慮した評価も可能になった。後者の場合には、磁界解析だけではなく、応力解析や高度な磁気特性測定が要求され、総合的な解析・評価技術が必須であるが、それらが実用的なレベルで実施できるようになった。さらに、電磁鋼板の面内における二次元的な磁気異方性や積層の効果、無方向性鋼板においてはヒステリシスの影響を、工学的に許される時間内で解析できるようになってきた。本講演では、それらについて説明するとともに、近い将来実用化されると思われる解析技術について述べる。
「IPMSMの連携解析と実機実験との比較」
東京農工大学 共生科学技術研究院システム情報科学部門 助手 赤津 観氏
PSIMとJMAGによる連携解析結果と実機実験結果の比較結果を報告する。低速度域では電流波形、電圧波形ともに一致するが電圧が飽和する直前の基底回転では電流リップル、電圧値とも実験値の方が大きくなった。本発表ではこの原因を鉄損によるものだと仮定して、解析を行い、基底回転でも電流リップル、電圧リップルともに一致するシミュレーション手法を提案する。
「エアコン用アキシャルエアギャップPMモータ」
株式会社富士通ゼネラル モータ事業部開発部 開発部長 藤岡 琢志氏
アキシャルエアギャップモータの出力はロータ直径の3乗D3に比例する為、Dを大きくすると、ラジアルエアギャップモータ(D2L)に比べ、低回転でより高い出力を得ることが出来る。本報告では、エアコン用アキシャルエアギャップPMモータの概要を説明すると共に、従来型モータとの比較を行い、その有用性と問題点を検討する。
「NEOQUENCH-DRの着磁波形とモータ性能」
大同特殊鋼株式会社 技術開発研究所 電磁材料研究部 主任研究員 藪見 崇生氏
NEOQUENCH-DRは高度な熱間押出し加工により成形するラジアル異方性リング磁石で、リング磁石では世界最高の磁気特性を有する。この磁石はEPS(Electric Power Steering)用モータに代表されるように、モータ特性において、高出力と高い回転性能が要求されるアプリケーションに最適な磁石である。今回の報告では、回転性能の指標である低コギングトルク化、誘起電圧の正弦波化に関して、NEOQUENCH-DR磁石を用いたブラシレスモータを例として、着磁波形との相関に着目し、JMAGを用いて検討をした。6P9S構造の表面磁石型モータでは、NEOQUENCH-DR磁石を用い、磁石高さ方向に磁気特性分布が存在した場合のスキュー着磁波形がコギングトルクに及ぼす影響を検討した。磁石高さ方向の磁気特性分布に応じたスキュー着磁波形を適用することでコギングトルクが低減できることを確認した。8P12S構造の表面磁石型モータでは、NEOQUENCH-DR磁石を用い、円周方向の着磁波形とスキュー着磁がコギングトルク,誘起電圧波形に及ぼす影響を検討した。円周方向の着磁波形の一つである着磁傾斜とスキュー着磁を組合せることで、低コギングトルクと誘起電圧の正弦波化の両立が可能なことを確認した。
「JMAG-Studioによる圧粉磁心のモータ応用解析」
三菱マテリアル株式会社 総合研究所 那珂研究センター 金属加工開発部 主任研究員 金川 欣次氏
圧粉磁心は絶縁被覆を有する軟磁性材にバインダを添加し、圧縮成形後熱処理を施して製造される。圧粉磁心は、磁気特性が等方性であり、高周波域での渦電流を電磁鋼板より小さくでき、そして三次元形状製作が容易であるなどの特徴を持つ。一方、従来から用いられている電磁鋼板と比べ、その磁気特性はモータ技術者にとって無視できないほどの違いがある。我々は、圧粉磁心をモータコアに適用した場合のモータ出力特性について、JMAG-Studioを用いて評価した。
「磁気プリンタにおけるトナーに働く磁気力」
明星大学 理工学部電気電子システム工学科 教授 小鍛冶 徳雄氏
磁気プリンタの黒画像部と白画像部におけるトナーに作用する磁気力について解析した。記録媒体上で1ドットの黒画像部には隣接遷移領域間距離1/2ドットの長さを割り当て、1ドットの白画像部には3/2ドットの長さを割り当てた。トナーサイズは10μmとし、画素密度は400dpiとした。以下の結果が得られた。トナーは遷移領域付近で記録媒体に強く引きつけられる、隣接遷移領域から近い領域の中間部では隣り合うトナー同士が強く引き合う。しかし遷移領域から離れると記録媒体からの吸引力と隣接トナー間の吸引力共に弱くなる。その結果、各々正規の1ドットサイズを有する1ドット黒画像と1ドット白画像が実現されると考えられる。
「長ストローク超磁歪アクチュエータ」
松下電工株式会社 先行技術開発研究所 光武 義雄氏
超磁歪材料は圧電素子と比較して、エネルギー密度が大きく1500ppm程度の大変位が得られることが特徴であり、kHzオーダの高応答性を有している。この大出力、大変位、高速応答性により精密位置決め装置やブレーキシステム等への応用が検討されている。しかしながら、大変位とはいえ10mm程度の材料長では、μmオーダの変位が限界であり、小型、大変位を両立させるためには変位を拡大する手段の検討が必要となる。本研究ではETREMA社の超磁歪材料(Terfenol−D)を用い、mmオーダの変位で数百Hz程度の応答性を目標とした大変位リニア振動子の試作を行い、動作特性の評価を行った。
「JMAGを用いたトランスの解析事例紹介」
パナソニック エレクトロニックデバイス株式会社 変成器ビジネスユニット 技術グループ 主任技師 植松 秀典氏
弊社ではトランスに関する様々な現象に関して、JMAGを用いて解析を行っている。今回はその中でも主にインダクタンス、熱、振動についての事例を紹介する。


11月2日(木):ユーザー会議(2日目)
「最近の小型高出力BLモータ」
有限会社モーションシステムテック 代表 斎藤 守弘氏
小型高出力BLモータの実桟を分析し、高出力化の実際設計手法を説明する。
「磁気回路法による電気自動車用インホイール多極SRモータの設計開発」
東北大学 大学院工学研究科 助手 中村 健二氏
近年、モータはインバータなどのパワーエレクトロニクス回路によって、きめ細やかに制御されるケースが増えており、高性能・高効率化のためには、モータ本体のみならず駆動回路や回転運動系まで含めた統一的な解析・設計が必要不可欠になってきている。本講演では、スイッチトリラクタンス(SR)モータを例に挙げ、非線形磁気特性や回転運動まで考慮可能な磁気回路モデルの構築方法と電気‐磁気‐運動連成解析手法について説明する。また、上記手法の適用事例として、一人乗り小型電気自動車用インホイール多極SRモータの設計・開発について紹介する。
「ブスバーのインダクタンスシミュレーション」
株式会社安川電機 技術開発本部 開発研究所 メカトロ技術開発グループ 技術担当課長 大戸 基道氏
インバータで用いられるブスバーの形状や配置によっては、パワー素子のスイッチング時にサージが発生する場合がある。ブスバーのインダクタンスや抵抗を正確に知ることが重要であるが、一般にその値は小さいため実測は難しい。本稿ではJMAGを用いたシミュレーションを試みているので、その概要を紹介する。
「鉄心の詳細な磁気特性を考慮したモータ設計技術」
三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 電機システム技術部 主席研究員 大穀 晃裕氏
永久磁石式サーボモータのコギングトルク低減を目的として,鉄心の詳細な磁気特性,すなわち,鉄心をフレームに焼きばめた際の応力による特性劣化や磁気異方性といった実使用状態での鉄心の磁気特性を考慮した磁界解析を行い,これに起因するコギングトルクを定量化した。本講演では、詳細な磁気特性を磁界解析に反映する方法について述べた後,その妥当性を検証用モータを用いて評価した結果について報告する。
「集中巻永久磁石モータにおける磁界解析」
東洋電機製造株式会社 産業事業部 車載電機品プロジェクト IWV開発グループ 主任 野田 幸宏氏
JMAGを使用した集中巻永久磁石モータのインダクタンス分布や、現在開発中のインホイールモータの解析事例を紹介します。また、構造解析ソフトFEMAPによって作成されたモデルを使用してJMAGで磁界解析を行った事例について紹介します。
「最近のモータの進化」
東海大学 工学部電気電子工学科 教授 森本 雅之氏
家電や自動車などを中心に多く使われている中小容量のモータの性能の進歩の歴史を振り返ると、モータはいまや「進化」というべき段階になっている。従来は設計改良による性能の改善を中心に行われてきたが、最近は製造技術、材料による改良・改善が多く見られる。そのような進歩がモータの構造も変えてきている。また、応用側からみた設計という観点から、モータではなく、モータの搭載されている機器の性能をターゲットとしてモータ設計が行われるようになって来た。そのためモータの定格という概念も薄れてきている。このような進歩がモータの用途の拡大を生み、新たな用途がさらに新たなモータの進歩へつながっている。
「IPMモータ制御技術の概観と実際」
東京工芸大学 工学部システム電子情報学科 教授 松井 幹彦氏
本講演では、近年、エアコンや電気自動車など特定用途志向のモータとして特に注目を集めるIPM(埋め込み永久磁石形)同期モータを中心に取り上げ、その制御技術に関わる理論背景をモータのモデリングやインバータ制御などの基礎事項にも触れながら概観する。また、講演者自身がこの数年間に携わってきた小形電気自動車用IPMモータ製作と、その制御のためのパラメータ評価、JMAGを用いたトルクや損失評価の事例についても紹介する。
「エアコン用IPMSMの変遷と今後の動向」
松下電器産業株式会社 モータ社 モータ開発研究所 吉川 祐一氏
エアコン用などの家電機器に搭載されるモータは、環境保護などの観点から高効率・小型化が強く要望されている。そこで、今回、エアコン用IPMSMの変遷と今後の動向について説明する。
「無方向製電磁鋼板の動向と評価技術」
新日本製鐵株式会社 鉄鋼研究所 鋼材第一研究部 主任研究員 茂木 尚氏
軟磁性材料の中で電磁鋼板は、高磁束密度・低鉄損である電気機器の鉄心材料として、きわめて安価という特徴もあり、広汎に用いられている。その中でも無方向性電磁鋼板は、モータや発電機のコア用として、電力・産業機器からOA、家電機器、電装品まで用いられており、機器の小型軽量、高効率化のため、さらなる高磁束密度・低鉄損化の技術が提案されている。最近ではエアコンのトップランナー方式の採用、電気自動車の開発により無方向性電磁鋼板の低鉄損化は大いに促進した。ここでは、最近の無方向性電磁鋼板の動向とその磁気特性に影響を与える因子について取り上げ、その評価例を報告する。
「NdFeB系永久磁石の最新動向及び設計技術」
株式会社NEOMAX マグネット事業本部 技術部 丸川 泰弘氏
  • NdFeB系永久磁石の動向
  • 着磁解析
  • 減磁解析
  • モータ解析事例紹介

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