J-OCTA Users Conference 2007
講演概要


1日目:10月30日(火)  2日目:10月31日(水)

※内容は、予告なく変更する場合がございますのであらかじめご了承ください。

10月30日(火):ユーザー会議(1日目)
「分子シミュレーションによる機能性分離膜の材料設計」
福井大学 大学院工学研究科物理工学専攻 玉井 良則氏
分子シミュレーションを活用した機能性分離膜の設計について解説する。まず、高分子膜中のキャビティー構造の可視化・定量化の方法について、例を交えて解説する。次に、気体の拡散係数および溶解度を分子シミュレーションによって評価し、分離係数を予測する方法について解説する。具体的な例として、高分子の結晶膜を利用した"スマートメンブレン"の設計を取り上げる。最後に、問題点と今後の展望についても触れる。
「両親媒性分子溶液の粘弾性挙動の研究」
慶應義塾大学 理工学部機械工学科
堀田 篤氏
分子構造を制御したペプチド両親媒性分子の溶液において、ペプチド分子内の分子スケールでの構造転移であるαヘリックス−βシート構造転移(以下、α−β転移)が、メゾスケールの球状−ひも状ミセル構造転移(以下、球−ひも転移)とともに起こることが実験的にわかった。
さらに、せん断を負荷することによりその転移が促進されることもわかり、この球−ひも転移のダイナミクスを解明することがα−β転移のメカニズム解明に多くの知見を与えることが期待される。
本講演では、この球−ひも転移の実験結果とともに散逸粒子動力学法を用いた解析結果を紹介する。
「含水したエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)の分子構造の計算機シミュレーション」
日本合成化学工業株式会社 中央研究所 先端技術センター 山本 友之氏
エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)は湿度が30%RH付近で酸素透過度、分子間空隙サイズが極小値を示す。
この湿度に相当する含水率2.7[g/100gEVOH]でのEVOHの分子構造をJ-OCTAで計算したところ、非晶構造中に秩序的な構造が出現した。さらに、水はクラスターを形成していることも明らかとなった。
「OCTAシミュレーションによるフィラー-ポリマー系の界面評価
〜電力機器用ナノコンポジット実現を目指して〜」
株式会社東芝 電力・社会システム技術開発センター
澤 史雄氏
マトリックス樹脂の中に、ナノオーダーの大きさの粒子(ナノ粒子)を少量の添加することで得られるポリマーナノコンポジットは、ガラス転移温度(Tg)や、ヤング率等の機械的特性が大幅に向上することが知られているが、電気絶縁性の樹脂に、絶縁性を持つナノ粒子を分散した系においては、電気絶縁特性も大幅に向上することが報告されている。
本研究では、ナノ粒子近傍における界面の構造を検討する目的で、主に粗視化分子動力学法(以下、粗視化MD)を用いて、粒子表面に吸着された分子鎖の構造やダイナミクスについて検討した例について紹介する。
「OCTA/J-OCTAを用いた物性推算への取組」
出光興産株式会社 中央研究所 若林 淳氏
J-OCTAのモデリング機能を用いた合成高分子の接着強度、配向複屈折の推算方法および結果について紹介する。また、高分子ワークショップで取り組んだDPD法による末端基が界面に局在した接着界面の初期構造生成法および電場を考慮した高分子電解質のシミュレーションについても紹介したい。
「J-OCTAの現状と今後の構想」
株式会社 日本総研ソリューションズ 小沢 拓
J-OCTAは、Ver1.2SPが4月にリリースされ、10月にはVer1.3がリリースされる予定である。いくつかのモデラーに加えられた新機能や高速分子動力学エンジンVSOP、今後のリリース計画を紹介する。


10月31日(水):ユーザー会議(2日目)
「OCTAを用いたソフトマテリアルの仮想実験」
東京大学大学院/科学技術振興機構 工学系研究科 物理工学専攻 森田 裕史氏
シミュレーションを行なう目的として、メカニズムの解明や、材料の物性予測等が用途として考えられる。特に後者を精度よく行なうためには、実際に行なうであろう実験を模した測定を計算機の中で再現しなくてはならない。言い換えれば、精度よい"仮想実験"を行なう必要がある。我々のグループでは、"仮想実験"を実現するための手法開発を行なっている。本講演では、我々がOCTAをベースにして行なった高分子材料等のソフトマテリアルに関する仮想実験の研究例を報告する。具体的には、1)高分子の粘着に関する仮想実験、2)実験で得られた構造データを用いた仮想実験を報告する予定である。
「高精度分子シミュレーション支援ソフトウエアDirect Force Fieldのご紹介」
株式会社菱化システム 科学技術システム事業部 計算科学部 佐藤 史一氏
近年の急速なコンピュータ技術の発展に伴い、材料開発において力場を基にした分子シミュレーションは重要な役割を期待されています。しかしながら、力場パラメータの精度の不足や欠如は、この手法を利用する上で大きな障害となっています。
このような問題を解決するために、Aeon Technology社は、長年の力場開発のノウハウを基に、Direct Force Fieldを開発しました。Direct Force Fieldは、フラグメントを基にした力場データベースTEAMや量子化学計算から力場パラメータを開発する機能等を力場に関するさまざまな機能を備えており、分子シミュレーションソフトに高精度な力場パラメータを提供します。
本講演では、そのシステムの概要とその応用事例について紹介します。
「機能商品設計のためのシミュレーション」
株式会社三菱化学科学技術研究センター R&D部門 機能商品研究所 樹神 弘也氏
株式会社三菱化学科学技術研究センターの機能商品開発におけるシミュレーションの利用事例を紹介する。
「体積ホログラムにおける収縮の影響」
東亞合成株式会社 新事業企画推進部 新事業企画グループ 佐々木 裕氏
光により記録可能なフォトポリマー材料を利用した体積ホログラム記録において、光重合時の体積収縮による回折格子の変形は記録品質の低下につながる重要な問題である。
本発表では、体積ホログラム記録時の局所的な体積収縮を線形弾性体シミュレーション(Elastica)により推定し、収縮がホログラム記録に及ぼす影響を検討した結果について報告を行う。
「高分子材料開発へのOCTAの応用を目指して」
三井化学株式会社 マテリアルサイエンス研究所 小林 直樹氏
高分子材料開発への「OCTA」の応用を目指して、三井化学における事例を中心紹介する。


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