顧客事例

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3.日本総研ソリューションズの貢献

学問の世界ならではの評価の違いをシステムに反映

福岡大学の学術情報データベースは、同大学が2004年度から推進している「情報化基本構想」の一環として構築された。同構想は、大学の新しい情報化の姿を示すために学生教育・生活支援、研究分野、情報公開・広報分野など6つの分野で検討がなされてまとめあげられたものだ。構想のとりまとめと具体的なシステム構築では、日本総研ソリューションズが全面的に支援。学術情報データベースは、まったく新しいシステムとして2004年6月から構築作業が始まり、2006年11月にシステム構築が完了した。

日本総研ソリューションズ 公共事業本部文教グループ 清水 由理それまであったのは、「ReaD研究者DB」への登録が主目的のシステムで、学内での業績の共有や産学連携を目的とした外部へのわかりやすい研究内容の公開といった踏み込んだ機能はなかった。御厨課長補佐などと共にシステム構築にあたってきた日本総研ソリューションズ公共事業本部文教グループの清水由理は、「研究領域によって、何を業績として捉えるのかの違いがあることを知り、それをどのようにシステムに反映させるかで苦労しました」と語る。

例えばスポーツ科学部の研究者にとっては、ナショナルチームのコーチを歴任したり、社会活動に貢献したりすることが一つの業績評価になっている。しかし工学部の研究者にとっては、それは業績評価の指標にはならない。全領域共通の、すべての項目を入力するような仕組みにすると煩わしくなるのは目に見えている。これは先に紹介した学部ごとに入力画面をカスタマイズすることで解決されているが、「知の世界」の有り様を理解することが重要なポイントであったのだ。

また、「外部に公開すべき業績とは何か」という点でも、研究者によって考え方が異なっている。このため、データベースにはさまざまな論文や業績を入力できるものの、どれを公開するかは研究者が指定できるようになっている。
「各学部の先生方に、学部や研究領域の特性について時間をかけてヒアリング致しました。こちからプランをご提示して検討していただき、何度ものやりとりを通じて最終形ができあがってきました。さらに先生方に、どのように協力してもらえるかが鍵。データベースとして情報量を増やすには、入力のしやすさなどを実現しなければ(せっかくのシステムも)宝の持ち腐れになります」と清水。

御厨課長補佐は、日本総研ソリューションズの取り組みについて、「既存のアプリケーションのルールに従うよう求めるシステム・インテグレーターが多いのに対して、日本総研ソリューションズのプロジェクト進行は、まず足下を見て、どうしたら良いかから始めます。こちらが課題となっていることを提示すると、今度は、こういう課題はないのですか、とボールが返ってくる。そうしたやりとりの積み重ねで問題点がより明確になり、対処策も浮上してきます。時には、『その問題については、こちらで学内関係者との調整をお手伝いしましょうか。』とまで言ってくれ、研究推進部が折り合いをつけるのをサポートしてくれました」と評価してくださった。


4.プロジェクトを終えて

アクセス統計やキーワード分析で「今の世の中」を先生たちに情報提供

御厨 武 氏学術情報データベースへの入力と公開は、約1000人の研究者の自由判断。システムが稼働を初めて約5カ月がたち、約4割の研究者が情報を更新してくれている。かつての「ReaD研究者DB」のためのシステムの年間更新率が10%足らずであったのと比べれば、研究者の関心の高さが分かる。産学連携の一助とするという狙いもあり、やはり工学部や理学部の研究者の入力が多い。
「しかし、研究推進部として力が試されるのはこれからだと思います。入力・公開してくれても情報の更新が進まないようでは、学内の知の共有と研究の促進という大きな狙いも絵に描いた餅で終わってしまいます」と御厨課長補佐。

実は新システムでは、月単位で研究者別のビュアー数やアクセス数の統計が取れたり、入力された検索キーワードから外部の人にとって関心の高いテーマを分析したりできる仕組みも取り入れられている。これらの分析レポートを研究者に提示して、さらなる情報の公開を促すことも検討されている。御厨課長補佐は、「どうしても文系の先生の入力率が低いのですが、世の中の動きに対応して積極的に文系・理系にかかわらず情報発言していくことも大学の発展や知の提供に不可欠な努力です」と訴える。

これに応えるように清水は、「システムは完成しましたが、これは終わりではなく始まり。もっと役立つデータベースにするために、例えばシソーラスを作るために研究者に気軽に入力していただくための仕組みづくりなどに、お手伝いができればと思っています」と語る。
福岡大学の学術情報データベースは、大学内にある知的資産の活用のあり方を探るプロジェクトとして大きな注目を集めていくことだろう。

5.Customer Profile→

(2007年2月取材)

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