顧客事例

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仕事に役立ち、教育効果も抜群


FTSは今回、日本総研ソリューションズ(JRI-SOL)のコンサルティングを導入されました。きっかけは何だったのでしょうか。

スバルグループ 富士テクノサービス株式会社 CAE室 山本 裕之氏山本氏:
主要顧客先である自動車メーカーが、それまで使っていた衝突解析ソフトをLS-DYNAに切り替えました。それに合わせてFTSのCAE室でもLS-DYNAへの取り組みが始まったわけです。顧客先への技術支援を強化するにはLS-DYNAのより深い技術を理解し、ノウハウを身につける必要があります。そこで、それらをオンサイトでコンサルティングをしてもらえる日本総研ソリューションズにお願いした次第です。

JRI-SOLのコンサルティングに対して、どのような点を評価していますか。

山本氏:
まず、LS-DYNA特有の機能について知らないことが多くあり、それらを教えてもらったことが非常に役に立っています。つまり、マニュアルには載っているが実際に使ってみないと分からない機能がいくつもあるわけです。それらを教えてもらったことで解析ノウハウはかなり向上したと自負しています。次に、自動車メーカーのCAE部の受託業務としての衝突解析だけだと、どうしても使う機能が限られてきます。衝突解析に当たって、プレス成形の加工硬化や衝突時の部材のスプリングバック効果がどう影響するのか知りたくなる。そういうところをサポートしてもらっている点も有益です。

木下室長:
仕事はやればやるほど能力はつきます。そういう意味ではOJTは非常に有効なのですが、それだけだと仕事に関わらないテーマに取り組むチャンスにめぐり合わない場合もあります。その一例が先述したプレス成形をすることによって加工硬化などの影響を受けた部品の衝撃特性の解析です。仕事の中では出てきませんが、技術者の育成ということで、それをLS-DYNAで解析するにはどうすればよいかに取り組みました。ソフトの使い方やソフトで用いられている理論の修得が一番の命題ですが、JRI-Solに期待したのは解析結果を一緒に考えてもらうということでした。若いエンジニアはコンピューターは使いこなせても解析結果について「なぜ?」というところまで考えが及びません。それが期待どおりだったことは大きな収穫です。

衝突解析に加工硬化などの影響を考慮するのはなぜでしょう。

木下室長:
プレス加工をすると、板厚が薄くなったり、材料の加工硬化が起きて物性が変わるからです。従ってプレス加工をした部品とそうでない部品では衝突特性が違う。それがクルマのどの部分でどれくらい起きているかはまだはっきり分かっていない部分もあります。しかし、誰もやらなければ前進はありません。そこで、先行的に研究を進めることで、どんな仕事がきても解析の専門家として対応できる能力を持った人材を育成したい。成果を学会誌に論文投稿することも視野に入れて、研究に取り組んでいます。

山本氏:
いま検証しようとしているのは、フレームなど衝突性能上重要となる部材についてです。簡易的な検証に有効なツールとして紹介されたHYCRASHを使用して予備調査をしている段階ですが、今後は、より詳細な手法による検討を予定しています。

フルビークモデルを用いた操縦安定性の解析結果 車両周りの流れの解析結果
フルビークルモデルを用いた
操縦安定性の解析結果
車両周りの流れの解析結果
車両の前面衝突の解析結果 車両の側面衝突の解析結果
車両の前面衝突の解析結果 車両の側面衝突の解析結果


CAE室のエンジニアリングが解析結果をJRI-Solと一緒に考えることによって、人材育成効果にもなると大きな期待を寄せておられるようですね。

CAE解析の作業風景木下室長:
はい。そしてそういう場が多ければ多いほど、技術者の力はついてきます。仕事の場合は納期がくれば解析作業は終了しますので、継続して考えるという余裕もありません。しかし、仕事とは離れたオフ・ザ・ジョブ・トレーニング(オフJT)で、何か先行的な研究をやってみようという場合は、思う存分、好きなだけできます。
CAE室の技術者たちには、まず何か一つでいいから人に負けないものを身につけてもらうところからスタートしていますが、その後はその人なりに努力して、より広い専門性を獲得して欲しいと思っています。そのためには豊富な経験を持つよきパートナーの存在が重要になってきます。
例えば大学の先生などに教わるとなるとややもすると一方通行的になるのを、JRI-SOLの場合は教えてくれる技術者も当社のCAE室のスタッフとそれほど年齢の開きがない。指導を受けているのですが、共同で何かを研究している感じに近いから、コミュニケーションも良好です。

そうした人材育成に対する取り組みは、FTSの社風ということでしょうか。

木下室長:
社風ですし、CAE室長としての私の考えでもあります。技術者は若いうちにどれだけ知識や技術を修得したかが、その後に効いてきます。とくに20代のうちですと、分からなくても砂が水を吸収するように知識を吸収できます。私の経験では、30代になると理屈が分かって初めて吸収できるようになり、40代になると20代には砂だったものが粘土になり水を弾いて、新しい知識はほとんど入らなくなってしまう(笑)。ですから、詰め込みでもいいから知識や技術の習得を若いうちに大いにやるべきだと思います。
それはもちろん会社にとってもよいことです。なぜなら、個人のレベルが上がれば組織としての知的資産が増え、企業としての付加価値になり、収益向上に繋がるわけですから。したがって、会社としても人材育成には大いに力を入れています。

より広い技術を磨き顧客の拡大へ→

(2007年12月取材)


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