特集

ITよもやま話

ITコスト削減に対して

ITコンサルティング・技術本部 情報技術戦略部 戦略企画課長 石川 晃

 景気低迷が長引いている今、各社におかれてもコスト削減には真摯に取り組んでおられると思う。その中でも社内システムのITコストについては、企業収益に直接寄与しないものでありながら日々経費が嵩んでいくようにも見え、投資効果を定量的に測ることが困難であるが故に、削減対象としてスコープをあてられ易い側面も持っているといえるだろう。

 ITコスト削減にあたっては、必要な戦略的投資を確保しながらいかにシステムの無駄を省くか、という視点が非常に重要となるが、厳しい経済環境の中、戦略的な投資すら先送りをせざるを得ない状況もあるであろう。しかし、大規模な投資は控えながらも、この機に現状のITを取り巻くコスト構造を見直し、整備をしておかなければ、将来投資できる環境が整った時に後手を踏むこととなり、ビジネスチャンスを逸することにつながり兼ねない。

 「ITコスト削減」への取組みは、システム構成からその無駄・ムラを探したり、システムの重要度から優先順位付けを行ったうえで見直しを図ったり、あるいは事業戦略に直接寄与するシステムであるのか否かで分類したうえで見直しを図ったりするなど、様々な方法があり、一概にどの方法が優れているといえるものでは無い。また、昨今ではクラウドなるキーワードで、利用した分だけのコストで済むような外部サービス利用環境も整備されてきており、特に電子メール等に代表されるコモディティ化が進んでいるものについては、その取り組み易さも手伝い、単なる“見直し”ではなく“自前で持たない”という選択をする企業が増加していくことも想定される。

 いずれの方法であろうとも、ITコスト削減の本質はいかに“複雑さ”を解消するか、である。例えば、システム・機能が多くなればなる程、おのずとその機能は重複し、複雑な連携を行うことになり、運用コストが増すと同時にあらたな機能追加さえ適正コストで実施することが困難になる。また、業務が複雑である場合、特に例外処理が多い業務であれば、そのためのシステム対応が必要になり、システムが果たす役割と比較して相対的に過剰なコストがかかるのは自明である。
 コストの絶対額だけに着目するのではなく、システムに関連する“複雑さ”を見出し、業務も含めた再整理を行うことが長期的には近道であり、おのずとそのガバナンスレベルも向上させつつ、将来の戦略的投資に備えうる基盤へと成長させていくことが出来るであろう。

 これを機に、社内の業務やシステムに関わる“複雑さ”を見つけ出し、それを解消することによる抜本的な対策を講じてみてはいかがだろうか。それこそが、システムに限らず、景気低迷期に求められる最善のコスト削減策ではないだろうか。

(2010年1月12日)

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