特集

ITよもやま話

IT業界におけるワークライフバランスの実践

第一SI本部 開発第一部 第四課 兼 ITコンサルティング本部 コンサルティング第一部 有田 麻紀子

 この春で勤続年数満11年となった。現在、お客様先で新サービス導入プロジェクトに従事し、業務影響の調査や要件整理を担当している。一方家庭では2児の母として育児・家事に追われる毎日である。日々仕事と家庭で奮闘する中で改めて感じたIT業界で仕事と家庭を両立させるためのノウハウや、仕事に対する姿勢など、私なりの考えを綴ってみたい。

 我が社では育児や介護を支援する制度が充実している。育児関係のものを挙げると、育児休暇、育児短時間勤務、子の看護休暇、託児補助金給付といった制度があり、男女を問わず利用でき、実際に多くの社員が活用している。これだけ充実した制度があれば、比較的容易に仕事と家庭の両立ができるのではないかと目論んでいたが、実際は、余裕の全く無い全力疾走の毎日である。
 現在、育児時間短縮勤務制度を利用して6時間勤務をしている。職場では、予期せぬ本来の担当業務以外の作業が発生することも多い。フルタイム勤務であれば、残業などで作業時間を追加確保してある程度柔軟に対処できる。しかし時短勤務では時間の融通は利かず、他の用途に用いた時間を取り戻すことは非常に難しい。そのため徹底的な作業の効率化が必要となる。
 効率良く作業を進めるには、無駄を省くことはもちろんだが、事前に作業の目的を念頭に置き、ゴールまでの工程を明確にして段取り良く取り掛かる、という基本中の基本がやはり最も重要である。

 時短勤務ではチームメンバーの協力なしに仕事はできない。勤務時間が限られるため担当できない作業もある。例えば宿泊を伴う出張や夜間・休日作業がそれである。また作業途中であっても時間が来たら退社せねばならず、日常的にチームメンバーへの作業引継が発生する。チームへの影響を最小限に抑えるため、情報共有は特に意識しなくてはならない。またチームの理解を得られるよう日頃の言動やコミュニケーションで良好な関係を築くことも重要である。

 IT業界の魅力はシステム作りの面白さ、技術の追求、そしてプロジェクトを通してさまざまな業種のお客様や関係者と関わり合いながら、自身の知的好奇心を満たせることだと感じている。ITの技術だけではシステム開発はできない。社会構造や法規制、業界や業務ルールといった業務環境を理解した上でシステムを設計することが重要である。技術者の中には、技術のスペシャリストではあるが業務を苦手と感じる者もいる。しかしそれが駄目というわけではない。システム開発はチームプレーでチームメンバー全員が同等の業務知識や技術力を持つ必要はない。プロジェクトはシステム企画や業務設計、ハードウェアの調達からシステム基盤の整備、プログラミングやテスト、運用設計、またプロジェクト全体の統括や各社との調整など多種多様な作業の集まりである。IT業界はメンバーの特徴を活かすことも、また勤務時間が限定される者に活躍の場を提供することもできる柔軟な業界であることを、現に私自身が実感している。

 最後に、勤務時間の長短に関わらず仕事に対する姿勢に差はない。誰しも生活の糧を得るため仕事をし、健康で豊かな生活を得るため、仕事と生活のバランスを模索し続ける。育児や介護のために生活に比重を掛けたとしても、仕事の目標や質を下げる必要は全くない。むしろ限られた時間に高いパフォーマンスを出すことで仕事だけでなく、生活にも良い効果が現れる。ライフイベントに直面し不安を覚えた人に一言。「案ずるより産むが易し。」まずは実践し、自分なりのバランスの取り方を模索してみてはいかがだろうか。

(2011年04月11日)

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