• 効率的な電気機器の設計

  • 環境にやさしい技術開発

  • 若者の教育・研究機会の提供

4.質の高い教育をみんなに、7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに、9.産業と技術革新の基盤をつくろう、13.気候変動に具体的な対策を

JSOL-SDGs 電気機器の設計・開発を支援する「JMAG」

私たちにもっとも身近な電気機器と言えば、モータを挙げることができます。
モータは私たちの生活になくてはならないものとなっていて、その存在を意識するか否かに関わらず、私たちの身の回りはモータを組み込んだ製品であふれています。洗濯機や冷蔵庫といった家電からエレベータなどの大型製品、さらにはスマートフォンや携帯ゲーム機など持ち歩くことのできる小型製品にまで幅広く使用されています。

また自動車業界では、環境問題への関心の高まりもあり、ガソリン車から電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)へのシフトが進んでいて、今後ますますモータ利用が拡大していくことが予見されます。
その一方で、増え続けるモータそのものの効率化を実現し、さらなる電力量の削減を実現しようする社会的な要請が高まっています。

JMAG

当社の取り組み

モータは、100年の歴史を持つ成熟機器でありながら、今日でも性能向上を目指して激しい開発競争が世界中で繰り広げられています。ところが、従来のように、勘と経験による試作品の作成を何度も行って最適解を求める設計手法では、コストや期間がかかりすぎてしまい、社会やお客さまの要請に応えることが難しくなってきました。そのため、近年電気機器設計に対するシミュレーションソフトウエアの重要性は、ますます高まっています。

当社が開発し、販売からサポートまで一貫したサービス提供を行う電磁界解析ソフトウエア「JMAG」は、モータのみならず、発電機、変圧器、ソレノイド、アクチュエーターなどの幅広い電気機器製品の設計・開発に適用可能な汎用CAEソフトウエアです。

機器内部の複雑な物理現象を正確かつ高速に可視化できるのが特徴で、1983年のリリース以来、改良を重ね、価値を提供し続けてきました。
さらには、お客さまの要求を実現するだけでなく、国内外のユーザーによる強固なコミュニティーの組成を通じて、将来の新たな設計手法やそれを用いた電気機器の姿を提案してきました。その結果、国内でNo1のシェアを獲得することができただけでなく、海外においても、その性能が評価され、導入事例が増加しています。

JMAGによる詳細なモータ解析提供イメージ

JMAG-Designer

社会への視点

環境への貢献

モータの事例で言えば、年々小型、軽量化が進んでいる一方で、出力は落とすことができないため、発生する熱への対応を含めた設計が必要です。また、高速回転化にともない、応力の影響を考慮しなければなりません。このように近年は、電磁界や構造、熱、流体など複数の物理現象をより正確に捉えるマルチフィジックス解析(連成解析)により、従来よりも効率的なエネルギー転換を実現する電気機器の設計が求められています。

JMAGは、こうした環境への配慮と性能向上の両立という課題の解決に向けて、日々新しい知見を取り入れながら、長年にわたって蓄積してきた電磁界解析の技術力をさらに発展させるとともに、パートナー企業とのエコシステム構築を進めていきます。

電磁界解析技術者の教育プログラムの発展に貢献

JMAGは電磁界解析分野ではトップクラスのシェアを占め、国内のみならず、世界中の企業や教育機関、研究所などで利用されています。
近年、アカデミック領域に対して技術革新のイノベーターとしての役割が期待され、CAE教育に力を入れる機関が増えていることから、より多くの学生がシミュレーションソフトウェアを利用できる環境が必要になっています。

JMAGは、電磁界解析技術者の教育・育成に貢献するため、国内外の多くの大学や研究機関(*)にすべてのソフトウェアを廉価で提供するとともに、いくつかの大学で授業などを行っています。
(*2020年2月現在国内外合わせて約90の公的機関)

【用語説明】CAE(シーエーイー:computer aided engineering)

コンピュータによって支援された、製品の設計・製造や工程設計の事前検討などといったエンジニアリングの作業またはそのツールなどで、解析対象をモデル化(数理モデル化)し、数値解析手法で計算します。
ここでは設計した構造物が要求性能を満たすかどうかを、実際に物を作る前にコンピュータ上でシミュレーションして調べることを言います。
CAEを利用することによるメリットとしては、「開発期間の短縮、試作や試験コストの削減、実測が困難な条件下での設計検討等」があげられます。