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テーマ2複雑化するシステム構築で、ITプロジェクトを成功させる要因は?

ざっくばらんな話し合いの場づくりが、曖昧性を浮かび上がらせ、迅速な解決に導く

――複数ベンダーが同居し、さまざまなシステムが共存している状態で、新たなITプロジェクトを成功に導くポイントは、どのようなものでしょうか。

森 まず申し上げたいのは、「IT技術者は曖昧で不透明な世界の中で生きている」ということです。お客様は、構築したいシステムについてのイメージは明確ですが、細かなスペックなどについては曖昧な部分がたくさんあります。この曖昧な事項と如何に向かい合うことができ、不透明な部分を如何に可視化できるのかがITの仕事であると考えています。
吉田 プロジェクト・マネジメントでも、プロジェクトを完遂するための「課題管理」とは、まさに曖昧性を明確にし、排除することです。例えば、「未決」と「未済」といった使い分けをします。未決は、まだスペックなどが決まっていない状況で、未済とはスペックなどは決まったが設計などに反映されていない状態です。こうして現状をきっちりと可視化して、曖昧性を排除していきます。
お客様は、システムの完成イメージを持っておられるのですが、残念なことに、システムがある程度稼働するまでは明確に表現できない場合があります。システムを構築してから「ちょっと違うんだよね」というケースが珍しくありません。だからこそ曖昧性の排除は、技術とプロジェクト管理の両面から強く求められることです。
執行役員・技術本部長 森陽一 森 曖昧性の排除は、IT技術者にとっては自身の技術力を磨く大きなチャンスになります。というのも、一振りすれば課題が浮き彫りになり、問題解決もしてくれるという“特効薬”はないわけで、現状や課題を可視化するためには、お客様とIT技術者がどれぐらいの共通認識を持てるかが鍵となります。この一連の作業が、IT技術者に多くの知識やコミュニケーション力を与えてくれます。
例えば、1ヶ月に1回、きちんとした書類を作って打ち合わせましょうというタイプのプロジェクト・マネジャーがいます。しかし、こうしたタイプのリーダーが仕切っているプロジェクトは、あまり成功していません。「宿題となっていた課題は次のように解決いたしました」と報告しても、そこに至る苦労を実感できないので、次の新たな課題が出たときに、その課題の難しさや根深さについて共通した認識を持てないからです。
それよりも、3日に一度は集まってわいわい議論し、そこで解決策を見つけたりするプロジェクトのほうが成功しています。なぜかと言えば、問題が解決する過程そのものをお客様と共有できるからです。そういうことが可能な会議体を作る必要がありますね。
吉田 計画から設計、製造などさまざまな局面で課題が明らかになり、しかも、どれぐらい深刻な課題かは人によって受け止め方が違います。人間とは、そういうものなのです。一所懸命に頑張って解決策をお持ちしても、「いや、実は、前提が間違っていた。もっと早く持ってきてくれたら違う前提で、違う方向も検証できたのに」などと言われたりすることもあります。これなども、人によって受け止め方が違うという事を認識して、お客様を含むステークホルダーと日頃から会話していれば防げるのです。
プロジェクトのすべての工程で、頻繁に関係者とコミュニケーションを取りながら軌道を修正し、徐々に解決策につなげていく活動が重要になります。その過程では、プロジェクト・マネジャーが上位のマネジメント層に悪い話を早く報告しリスクを共有する事が肝要です。どんな時も殻に閉じこもらないコミュニケーションが大切なのだと思います。
執行役員・ITコンサルティング事業本部長 吉田和隆
森 大規模なプロジェクトを経験したプロジェクト・マネジャーは、プロジェクト開始前に必ず2つのことをお客様に提案しますね。まず、どのような会議体を作るか。そして問題点管理のフォーマットです。それらをお客様にご説明すると、「ああ、そういう所に注意を払っているのか」と、互いのレベルも分かります。要するに、ざっくばらんに議論できる人がプロジェクトを成功に導いている。
吉田 まさに、そうですね。わたしたちソリューション・プロバイダー側も、お客様だからといって遠慮する必要はないし、互いになすべきことを明確にして、できなければ次善の手を打つようにする。ソリューション・プロバイダー側に請負側としての意識が強過ぎると、自分たちだけの問題のみを提示してしまいがちで、逆にお客様の水面下に隠れている課題を見逃してしまうこともあります。ざっくばらんに話し合うことで、こうした問題はいくらでも防げます。

(2007年01月現在)

3.これからのITスペシャリストに求められる資質とは?→


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