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VMOとしてカルビーのDRサイトを構築

カルビーは、2004年から各種のシステム運営・管理のすべてをアウトソーシングする手法を取り入れている。それは、「まる投げ」ということではない。専門のスキルを持つベンダーとシステムユーザーをダイレクトに結びつけ、ベンダーにユーザーのニーズを理解してもらって改善を重ねた方が、高度なIT品質を確保できるという戦略があるのだ。加えて、そのベンダーの品質管理自体も専門性をもったベンダーに任せてしまったほうがよいというのがカルビーの発想だ。システム運営・管理に関して、カルビー自体はSLAの策定など、どう品質を管理するかのみを決め、実際の運営・管理をベンダーに委託することで、IT戦略策定などの企画業務に注力している。

狩野 英則

日本総研ソリューションズは、「カルビーの主要システムの運用」と「VMOとして同社の各種のシステム開発・保守を受託している14社の品質管理」を担当している。
VMOとしての業務は、カルビーからの強い信頼を得て3年目を迎える。そうした中で浮上してきた課題がDRだった。

「カルビーでは、中田康雄社長がCIOを兼ねられ、明確なIT戦略が示されています。情報システム運用チームが新潟中越地震で同業メーカーがどのような被害に遭われたかを詳細に調査され、その結果を聞いた中田社長が『DRに1日の遅れもあってはならない』と判断されました。わたしたちは2006年春には検討に着手し、11月にはバックアップセンターの稼働にこぎ着けました」

バックアップセンターは、沖縄県浦添市のファーストライディングテクノロジー社(FRT)のデータセンター内にある。沖縄が選ばれたのは、地震の活動度を示す地震地域係数が全国で最も小さく、過去78年間に震度5以上の地震が起きていない唯一の県であることが大きい。また、東京から約1600q離れており、たとえ首都圏で大地震が発生しても、同時被災に遭う確率はきわめて低い。
狩野は、「地震の発生が少ないほかに、県側の支援制度が充実していたことも理由の一つです。」という。

バックアップの対象となっているのはERPとEDI、電子メール、インターネット接続環境の4つのシステム。非常に興味深いのは、「メインシステムとサブシステムを明確に区分するのではなく、少しクロスさせたDRサイトを構築した」ことだ。
まずERPのシステムは、川崎市溝の口にある日本総研ソリューションズのデータセンター内にメインシステムがあり、開発用として設置されていたサブシステムを沖縄にバックアップ用として移した。非常時にはこちらをメインとする。EDIも沖縄にバックアップ用を置いた。しかし、電子メールとインターネット接続環境は、沖縄にメインシステムを置き、バックアップシステムを溝の口に設置した。

システム構成イメージ

「カルビーにおいて被災時の影響を分析したところ、工場や営業所は全国各地に存在するため、地震によって全て機能不全に陥ることはない。しかしシステムは、一箇所に集中しているため、万が一、データセンターが機能しなくなると代わりがない。そしてシステムが使用できなくなると、商品を生産することも、商談を纏める営業マンもいるにも関わらず、商品を、どこにいくつ運べばよいのか指示できずロジスティックが停止してしまう。結果として、事業そのものが継続できなくなるリスクが存在した。」と狩野は言う。
「そのため、ERPやEDIはフェールセーフの思想に基づいてバックアップシステムを作りました。また、被災時というのは、安全確実かつ早くバックアップシステムが使えることを周知徹底するためにもメールやインターネット接続環境が果たす役割が大きいのです。ならば、それらは沖縄をメインにすればよい、という結論に達しました。加えて、一方のセンターをバックアップ用のサイトと決めてしまうと、通常運用を行っていないために、被災時に運用がスムーズにできないというリスクも回避しています。」

ERPやEDIのデータは、リアルタイムで同期が取られている。川崎のセンターのデータが書き換えられると自動的に「差分」を沖縄に送り、同期する。これには日本ヒューレット・パッカード社の「ディスクアレイ筐体間ミラーリング機能」が使われている。 ただ、EDIに関しては、ERPにデータを受け渡してしまえば蓄積されているデータを後生大事に抱えている必要はない。「EDIもリアルタイムで同期しますが、あくまでもトラブル時にデータを確認できるログとして持っているだけです」

(2007年03月現在)

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