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自らのスキルを移転するための体系化に取り組む

その仕事ぶりが噂となり、評価され、まったく知見のない業界のお客様からプロジェクトへの参加を求められるケースがある。プロジェクト・マネジャー(PM)にとっては嬉しい反面、はたしてプロジェクトを成功に導けるのかプレッシャーに押し潰されそうになるときもある。PMの仕事を通じ、PMに求められるリテラシーなどを探るシリーズの2回目は、未知の業界のプロジェクトに相次いで取り組み、自身の課題も明確になったという第二SI本部開発第三部第三課課長の小林智昭の活動を紹介する。

 2005年春、小林は、ある保険会社のインターネット専用自動車保険の見積もりから契約管理に至る一連のシステム構築に投入された。小林にとっては保険業界のお客様との初めての仕事だった。
  この案件は、別のSIerとジョイントを組んで入札に参加するものだった。不幸なことに、保険業界に実績のあるチームは、他の案件に忙殺されて提案書を作成する余裕がない。それならば小林が自ら顧客のRFP(*)をチェックして提案書をまとめるしかない。
  入札には、すでに発注企業と取引があるSIerも参加しており、営業部門からは「(受注は)厳しい戦い」という見通しが伝えられていた。

 「だからといって最初からあきらめるのはもったいない話。いろいろな人にアドバイスをもらいながら自分たちで提案書を書いて入札したら、なんと、わたしたちが指名されました。初めてのことで、素人だったが故に清新な提案になっていたのだと思います」

  しかし、いざプロジェクトが始まると、いくつもの課題が浮き彫りになってきた。まず、提示されていたRFPを詳細にチェックすると、顧客企業が本当にやりたいことが十分に示されていなかったのだ。
  実は、小林らに示されたRFPは、別のSIerがコンサルタントになって書き、その会社も入札に参加していた。

  「インターネットを使って直接、自動車保険を販売するというビジネス部門の要求と、システム部門の擦り合わせが十分になされていなかったのです。その溝が埋まらないままSIerがRFPを書き、突き進んでしまったんですね」

  基本的に、「プロジェクトにおいては、お客様、システム開発側のどちらもが100%などということはありえない」と考えている小林は、顧客に丹念に要求事項の確認を要請していった。もし、不十分なRFPをもとに仕事を進めれば、互いに不幸な事態になるのは目に見えていた。

 「逆に途中で発生した要件変更を、『聞いていないことは出来ない』」と断ったため、お客様サイドではわたしたちの進め方に不満があったかと思います。しかし、計画通りのスケジュールでサービスインするのが絶対的な使命であったことから最終的には納得していただき、保険の知識が豊富なお客様、ネットワークについての知識があるわたしたちの知恵を共有する形で仕事を進めました」

 無事、サービスインにこぎ着けたプロジェクトはその後、フェーズ2、3とバージョンアップを重ね、2年後の2007年1月に終了した。プロジェクトは保険会社本社直轄のものだったが、小林のチームに対する本社の評価は高く、それがフェーズ2、3の仕事へとつながったのである。

* RFP=Request For Proposal。システム構築の発注を行うために、構築したいシステムの概要や構成要件、調達条件などを委託候補先企業に示し、具体的な提案を求める書類。委託候補先企業は、RFPに基づいて詳細な提案を行う。

(2009年09月現在)

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