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システム発展と共に歩んだ者の「システムインフラ論」

 嵯峨は、大学で経済学を学び、1980年にJSOLの前身である日本情報サービスに入社した。プログラムのプの字も知らなかったがシステム時代の到来を予感したという。
 入社後は民間企業の基幹システム開発にかかわり、システム・エンジニアとして一本立ちすると大手自動車メーカーに2年間ほど出向して開発に従事したこともある。

 思い出深いのは、88年から取り組んだ外資系ベンダーでの「国際資金決済システム」のパッケージ開発でリーダーを務めたことだ。
 グローバル化の波が湧き起こり、それに対応したシステムで、どのようなシステム要件が必要とされるのか、海外での打合せや開発・テストなどに多忙を極めた。
 また、ある中央官庁での次世代の情報システム構想策定の際、海外の類似した行政機関の情報システムの状況や先端技術の動向を調査するための現地ヒアリングを行っている。
 「1カ月ぐらいをかけて世界を1周してくる出張を2回ほどやりました。そう言うと一見、優雅に聞こえるかもしれませんが、ものすごくきつい。オフィスにいれば息を抜く時間もつくれますが、出張になると毎日、びっしりとスケジュールが組まれて、全力疾走が続きます。でも、出張は嫌いではないし、若かったので嬉々として出かけていました」

 95年ごろから中央官庁のシステム企画・開発を担い、そして自治体システムの分野へと造けいを深めていく。一見して分かるとおり、情報システムが日本の社会インフラとして定着していく、まさにその時期に民間企業と自治体の両方から経験することができた。
 だからこそ、システムインフラのあり方については独特の考えを持っている。地方自治体向けシステムでの、「地域性に対する理解が浅ければ、システム導入も失敗する」というのもその一つ。

 「一口に地方自治体と言っても、地域の個性はまったく違い、だからシステム活用の感覚も違います。たとえば、システム開発と運営に競争原理を入れようと言っても、地元にそれを担えるベンダーが育っているかどうか、また首長がそうした企業を育てようとしているかどうかなどで実態はまったく違ったものになります。首都圏や関西都市圏ならばマルチベンダーで競わせることもできるでしょうが、地方都市では振り向いてもくれない。情報システムの限界集落論など、冗談にもならない。そういう現実も見ておかなければなりません」

 そうした状況を踏まえつつ、嵯峨は今、自治体システムの優れた「開放思想」を企業のシステムに盛り込めないだろうか、と考えている。情報システム開発は企業向けが先行した。しかし、利益追求を一義とするものなので一般的には閉鎖的にならざるを得ない。
 一方、自治体は企業システムに学びながらも取り入れ、さまざまな課題に対応してきた。

アプリケーションコンサルタント 嵯峨 三資

 「自治体のシステムというのは、その町に人が住んでもらうためにあるものです。それ故に公共的な説明責任を負い、公正でなくてはならなかった。いつしか社会発展のインフラとして備えるべき条件は、自治体のほうに多く蓄積されていたのです。こうしたいくつかのポイントを、企業システムに移行することが、新しい情報システムの活用につながっていくように思うのです」

 企業の社会的な責任(CSR)やガバナンスに対する社会の目が厳しくなり、企業自身も社会に貢献できる持続的な発展をめざさなければならないなかで、公共の思想は大いに役立つのではないかというのである。
その詳細を紹介するのは今回の趣旨ではないが、日本における情報システムの発展そのものと歩みを同じくしてきた嵯峨の見通しは非常に興味深く思えるのである。

(2010年07月現在)


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