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早期発見・早期治療でプロジェクトを成功へと導くレビュー

 JSOLがPMOに本格的に取り組み始めたのは2010年からだが、実は、胎動のようなものは以前からあった。
 そもそも一人のプロジェクトマネジャーを育成するのは容易なことではない。プロジェクトマネジャーは、単に技術知識だけでなく、コミュニケーション力やメンタルケアなど"人間力"とでも呼ぶべき能力が求められ、それらは数々の修羅場を経験して養われてくるからだ。

 大手システムベンダーのなかには、プロジェクトマネジャーをプロジェクト管理の専門家として、つまり一種のエリート教育で育てている企業もあるが、石川は、「それではものづくりと、その現場を理解したプロジェクトマネジャーは育たない」という。
 JSOLの場合、プロジェクトの受注規模が数千万円から数十億円と中小規模のプロジェクトが中心であり、この規模ではプロジェクトマネジャーやプロジェクトリーダーを中心とするシンプルな体制でやらざるを得ない現実があった。もちろん、だからこそものづくりに精通した、修羅場も経験したマネジャーが育つというメリットもあった。

 ホストコンピュータの時代であれば、技術内容は画一的であり、またマネジメントも画一的なものでよかった。JSOLには、SPARTという開発方法論とSITEという開発ツールがあったので、シンプルな体制でも対応できていた。しかしオープン系の時代になると、さまざまで専門的な技術要素を活用しなければならず、それならばプロジェクトマネジメントは本部単位で行うのが合理的だとされ、ここでSPARTとSITEは廃止された。
 しかし、これでは各本部が会得したプロジェクトマネジメントの技が横に広がらず、各本部が独自のルールをつくってしまう弊害があった。それは結果的に、トラブルが出る問題プロジェクトに対して組織的なバックアップができず、プロジェクトの正否がプロジェクトマネジャーの力量一つで決まってしまう事例の頻発となって露呈した。

プロジェクトマネジャー 石川 智子

 そこで開発統括本部ERP開発本部では2009年に、問題プロジェクトに対して第3者レビューを行う制度を独自につくった。
「問題プロジェクトでも、リーダーはどうしてもリカバリーできると考えがちです。それは人情としてよく分かるのです。でも結果的に遅れがちになったり、外部委託が増えて作業の全容がつかみにくくなったりしてしまう。客観的にリカバリーが可能かどうか、不可能ならばどこにレスキューをさし向けるべきかといった議論を起こしました」

 この議論を経て、ERP開発本部では「プロジェクトレビューの専門部隊が必要だ」という認識が深まり、翌2010年4月、ERP開発本部内に「PMOタスクフォース」が組織され、石川がリーダーに指名された。石川は、システムエンジニアとして仕事に取り組む一方で、プロジェクトマネジャーたちのスキルアップの責任者でもあり、後の部門PMOに至るタスクフォースのリーダー指名はまさに適任だった。

 ERP開発本部ではタスクフォースの新設と共に、すべてのプロジェクトについてレビューを実施することを決定。レビューも、それまでの(1)提案時レビュー、(2)計画レビュー、(3)出荷判定レビューの3回から、システム開発のフェーズごとのレビュー、月次のレビューなど詳細なレビュールールに改めていった。またルールに基づき、石川はすべてのレビューに立ち会った。

 一方で同じ2010年4月からは中期経営計画を達成するための生産性向上施策の実行、教育や研修ノウハウを部門間の壁を越えて共有する試みも始まっていた。その一環として同年7月には、部門内のプロジェクトの見える化をめざし、これを支える部門内PMO機能を全社横断で見直すべく「開発部門PMO機能TF」を石川をリーダに立ち上げ、同年10月には各本部の品質担当者を中心に部門PMOを設置して活動を強化した。
 ERP開発本部内で始まった部門PMOタスクフォースは、ここで一挙に各種の開発部門を横断する大きなうねりとなった。

 「部門PMOには、3つの目的を掲げました。つまり、品質保証、プロジェクトマネジャーの支援、ノウハウの蓄積と共有です。3年計画で定着を図ろうと構想を練ったのですが、プロジェクトの問題や課題などの悪い情報が思っていたよりも上がってきませんでした。これでは部門PMOは有名無実になると危惧し、さらなる組織化が必要だということで、開発統括本部の設置と同時に直轄組織としてPMO部がつくられたのです」

(2012年03月現在)

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