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抜群のシミュレーション精度で業界標準に

 橋本によれば電磁界解析ソフトの市場では、1990年代頃から研究目的の解析環境が整い、1990年代後半には設計者にも解析が広がり始めていった。結果、2000年代前半までは国内産のソフトメーカーとの競争が繰り広げられ、2000年代後半からは企業の海外展開に伴い国外のソフトメーカーとの競争に移り変わった。そうしたなかで2000年代半ばから、JMAGは実質的な業界標準(デファクトスタンダード)になり、ユーザー数は今なお増加している。

 JMAGが誕生したのは1983年。初期のバージョンはマニュアルなども整備されておらず、限られた研究者が高価なUNIXマシンを使ってシミュレーションしていた。
 「学術的な興味で、磁場解析そのものを研究対象として扱うという意味合いが強く、現在のように製品の設計者が業務として扱うレベルのものではありませんでした」

アプリケーションコンサルタント 橋本 洋

 橋本がJSOL(当時、日本総合研究所。2006年7月分社)に入社した1996年当時はバージョン3。入社するのと同時期に始まったバージョン3.1以降の開発ではパッケージソフトとしての使いやすさが追究され、製本されたマニュアルも用意されるようになった。
 JSOLの開発スタッフは以後、学会の最先端の解析手法を貪欲にJMAGの機能として実装し、ユーザーの利便性を高めていった。

 時代も後押ししていた。橋本が入社した90年代半ばは、日本で電磁場解析の必要性が設計の現場に浸透し始めた時期でもあった。背景にあったのが、家電業界による省エネ設計のニーズの高まりと、資源枯渇や排ガス規制を視野に入れた自動車業界による電気自動車の開発だ。
 省エネ設計の代表例としては、エアコンや洗濯機のモーターの開発がある。永久磁石を用いたモーターを高効率で駆動させる研究・開発がさかんに行われた。JMAGは、限られた時間で成果を求められる設計の現場のニーズに応え、スタンダードツールとして急速に普及していく。自動車業界による電気自動車の研究・開発も同様であった。

 「自動車は人の命を預かるので、数値解析に求められる機能や精度のレベルは極めて高く、厳しい。そうしたニーズに応えられたのがJMAGでした。この頃から、電磁場解析ソフトは研究目的だけではなく、設計にも用いられる場面が多くなりました。その結果、大学の先生や熟練の数値解析技術者の方々から、『使いやすく簡単に結果が得られるので、若手の人は電卓感覚で使ってしまい、結果を鵜呑みにすることが多くなった』と嘆かれるほどになりました」

 設計の現場に電磁場解析の有用性が周知されると、競合ソフトとの競争が激しくなってくる。攻勢に対してJMAGの開発スタッフは、磁界解析の方程式を解くソルバに加えて、独自のメッシュ生成機能や使いやすいインターフェースを実装していった。

 「まだ、電磁場解析ソフトそのものが研究対象であった時代には『磁界解析のソフトメーカーは方程式を解くソルバに注力すればよい。形状エディタやメッシュ生成は他社のツールと組み合わせればよい』という発想が主流でした。一方、JMAGは『必ずしも他社のツールは電磁気設計のニーズに合ったものとは限らない。ユーザーが求める利便性と高度な機能を提供するには自社内で開発・統合化する方がよい』という道を選択しました。結果として、設計者に普及する段階になると総合的な機能を持つソフトが選ばれ、シェアを勝ち取ることができました」

(2013年03月現在)

誘導加熱分野という新市場開拓に貢献→


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