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数値になりにくいものも「見える化」する

 もう少し詳しく書けば、システムが実現しようとするのは「管理すべき人が、管理すべき場面で管理できる」というもの。
 ものづくりの過程や全体像を思い浮かべると分かりやすい。ものづくりにかかる費用はそれぞれの部や課で管理している。ものづくりの歩留まりに責任を持つのは工場長だ。歩留まりを高めるだけでなく操業の度合いに責任を持つのは現場の職長だ。そして、それらのいずれもが、ものづくりのための原価に密接にかかわっている。それならば、それぞれが自分の仕事に応じて原価状況がどうなっているのかを見えるようにしなくてはらない。

SAP原価管理活用高度化のステップ

SAP原価管理活用高度化のステップ

 「部長は、部全体の費用構造を把握しておかなければなりませんが、一枚一枚の伝票に目を通す必要はありません。また職長は、自分が担当するラインに責任を持ちますが、自分のラインのことしか見ていないのはまずい。それぞれの役割と責任を明確にして、見るべき数字が見られるようにするのです」

 SAPは、製造業を支援するためにつくられたERPパッケージだけに、原価管理にもさまざまな知見が盛り込まれている。基本的にはSAPの考え方に合わせつつ、企業が独自に持っている競争力(差別化)要因やプロセスは、独自につくり込んでSAPに乗せていく。
 例えば、A社の場合だと、基礎部品の調達パターンがきわめて複雑だった。複数工場で内製するだけでなく外注もしており、それも資材は支給して加工のみの外注であったり、資材調達と加工を丸ごと外注していたりとさまざまだ。そうした実態に合わせて原価管理の仕組みをカスタマイズするのである。

 「クライアントさんのカウンターパートチームとのワークショップを重ね、課題の抽出や差別化要因の確認に力を注ぎました。いわば暗黙知を形式知に変える作業をするわけです。だからこそ購買や生産などあらゆる業務に精通している人がカウンターパートにいるとシステムの要件定義や設計も深みを増します。A社のプロジェクトでは、そういう人材をトップダウンでアサインしてくれたのはありがたかったですね」

アプリケーションコンサルタント 津田 恒平

 システム開発で重要なポイントとなったのが、アクションプランとの関係だった。
 ものづくりの現場では、標準原価を決めてコスト削減や効率向上に取り組むだけでなく、工程数の削減や技術的な課題の克服といったお金に絡まないアクションプランを定めて改善に取り組んでいる。いわばシステム外の問題であるのだが、システムと関係がないとは言えない。
 アクションプランへの取り組みの成果などが、システムにも反映され、誰もが見て分かるようにする。こうした点の設計は、原価管理に対する深い理解がなければ実現できない。

 「一口に製造業といっても、加工要素が大きいプロセス型生産と人的要素や部品材料などの要素が大きい生産とは似て非なるものです。A社のプロジェクトでは、人的要素などのSAP原価管理への折り込み手法などを学ぶことができ、従来にはないノウハウを蓄積できました」

(2013年03月現在)

意義の共有と教育という問題に直面する→


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