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震災発生時に見せたPMとしての読みと組織手腕

 開発の過程では、想定外の出来事も相次いだ。まず、大宅を「おっ」と驚かせたのがIFRS(国際財務報告基準)への適応だ。ちょうどシステム開発が始まった頃からIFRSの日本導入に向けた動きが活発になり、上場企業であるA社でもIFRSへの対応を迫られた。

 IFRSでは例えば、物流は出荷基準から着荷基準に変更される。つまり、それまでは卸売会社の倉庫から荷が出荷された段階で出荷情報を計上すればよかったが、IFRSでは、荷が実際に店などに到着した段階でなければ計上できない。このため、店舗向けシステムにある着荷情報を物流システムにフィードバックする仕組みが必要になった。
 これは言葉で表現する以上に大規模な変更を伴い、大宅もA社も、「当初のスケジュールの見直しが必要」と確認した。

 IFRS対応の協議が始まったのが2011年2月で、その1カ月後に発生したのが東日本大震災である。A社は、千葉県と兵庫県に配送センターを持ち、東西日本に荷を振り分ける"双子体制"にしていたが、大震災のために千葉県のセンターが稼働できなくなった。液状化現象で水道配管が破損し、センター内でもラックから商品が落下するなどの大きな被害を受けてしまったのである。

 「荷物を、兵庫のセンターから全国のお店に配送する仕組みづくりが喫緊の課題となりました。そこで私とお客様側のキーマンが、一度プロジェクトから抜けて兵庫のセンターに近い関西に貼り付き、西から全国に配送する臨時のシステム対応をしました。月・水・金は西日本エリア向け、火・木・土は東日本エリア向けという配送シフトを敷いたのです。5月の連休明けに千葉のセンターが回復するまでの2カ月ほど、配送の最前線での対応に追われました」

 後に大宅は、A社から震災対応で感謝状をいただいている。震災発生後からのシステム変更などの迅速な対応は言うまでもない。さらに、この緊急対応によりA社では、配送頻度の集約、トラックへの積載率の向上など、いわば嬉しい誤算とも言える副次的な効果が生まれた。間接的とはいえ、迅速な対応で副次的な効果を生み出したことを高く評価されたのである。

プロジェクト・マネジャー 大宅壮一

 大震災は、プロジェクトの進行に大きな影響を与えた。さらにIFRS対応も重なり、プロジェクトを1次と2次に分割することにしたのである。受注関係部分の開発を1次として先行させ、残りの出荷や計上などの部分は2次として後追いする。しかし、これが良くも悪くもプロジェクトの流れを変えた。

 「まず悪かったのは、体制が二手に分かれたためにチームのなかにコミュニケーションギャップが生まれてしまいました。同時に検証していかなければならないものの1つが後追いとなることでテスト回数も増えます。かかわっているスタッフの数が多いですから、ギャップを放置するとプロジェクトそのものの存亡につながってしまいます。そこで1次、2次のチームそれぞれに専任の監督者を置き、監督者のコミュニケーションをがっちりと確保するようにしました」

 良かったのは、1次チームの失敗や教訓を2次チームが受け継げたことだ。1次チームの取り組みから、システム全体で留意すべき点などが明らかになり、2次チームは、それらを踏まえた上で開発に当たれた。

 「1次チームが、言わばパイロットプロジェクトのような効果を生み出し、大震災で遅れを余儀なくされた開発スピードを一挙に挽回していくきっかけにもなりました」

(2015年01月現在)

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