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経営層の事業構想を組み込んでシステムを見直す

 ICTコンサルタントである長堀が、どのように仕事を進めているのか。
基本的にはまず、ICT部門だけでなくユーザー部門、経営層など幅広い関係者へのヒアリングを通じてICT部門や業務の現状を評価する。そこから見えてきた弱点について根本的な原因を想定し、検証し、対策を立案する。そして各対策について、効果の高さや実施するための容易性などを勘案して優先度を決め、実行計画を策定する。
 ある教育産業系大手企業の基幹システム変更に伴うグランドデザイン・コンサルティングとICT部門強化のケースを見てみよう。

 この企業では、少子化を背景に受験指導だけでなく個別塾、難関大学受験専門コース、資格受験対策塾などへと多角的な展開を図ってきた。その結果、生徒数は増加して業績は順調に拡大してきたが、一方で、当然ながら授業講座の数は増え、教師のスケジュール管理は複雑になり、さらに生徒の管理だけでなく保護者とのコミュニケーション活動による囲い込みの強化などの経営課題が明らかになってきた。

アプリケーションコンサルタント 長堀 亨

 「例えば、生徒の学習到達度について親御さん自身がスマホなどを通じて確認したいとの要望が増えていたのですが、既存の基幹システムでは応えられません。現場の先生たちから上がってくる生徒との関係を強めるためのアイデアと、経営者が描く将来の事業像の両方を吸収してマッチングさせ、将来を支えられるシステムが求められていました」

 長堀は、コンペへの参加を要望され、事前調査が始まった。関係者へのヒアリングを通して分かったのは、例えば次のような課題だった。
 入学してくる生徒は増えているが、一方で退会する生徒もわずかずつだが増えていた。つまり生徒の能力差に対応した仕組みと、それを納得して生徒を送り出してもらうための保護者とのコミュニケーションが重要になってきていること。質の高い教師を確保するためにも適切な授業配分や学習到達度を把握できる仕組みが不可欠になっていること。テスト前の追加授業や時間延長・レギュラー授業の振替といったケースに対して、教師の手配や料金設定を柔軟に変更できない仕組みになっていること等々。

 「私のコンサルティングの基本的なスタンスは、お客さまは課題も、その解決策も実は分かっている、というものです。ただ、それらの引き出し方が分からない。そこをリードして課題や解を見える化してさしあげる。そうすると、より細かな課題や解決策も自身で連鎖的に導き出せるようになります」

 そこで多用するのがさまざまな思考ツールだ。ロジックツリー(戦略マップ)、VRIO分析、PEST分析、BSC(バランストスコアカード)、マインドマップ、3C分析、ICT部門向けにはUISS等々である。
 「重要なことはまず、業務の流れを関係者が共有できバリュー・チェーンを見える化する作業」という。その上で、それぞれの業務フローにどのような戦略上の課題があるかを明らかにする。
 例えばロジックツリーでは、重要な論点の前後関係が示される。ゴールに至るにはAとBの要素が必要であり、Aを実現するにはCとD、Bを実現するにはEとFの取り組みが求められる、といった具合だ。その結果、何がやりきれていないのか、何が足りないのかなどが明確になる。

 「教育産業のプロジェクトでは、基幹システムの更新のために、特に経理部門の方が大きな不安を感じていました。そこでフロー解析の段階で、システム更新後の仕訳作業の実際の姿を提示して安心していただけるようにも配慮しました」

 競合社は現場の不満を吸い上げるボトムアップ型の提案を行ったが、長堀はトップダウン型だった。その理由を、「経営の最高責任者は現場の人には分かりづらい事業構想や見通しがあります。それらを軸にして現場の課題を評価して優先順位を付けていくと、実はICT部門に期待されている戦略性も明らかになり、ICT部門の組織強化にもつながるのです」と語る。
 結局、このプロジェクトでは長堀の更新案が採用され、基幹システムの開発はJSOLのグループ会社へと引き継がれた。

(2015年12月現在)

経営やICTの課題を見える化する診断ツールの開発→


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