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磁性材料の複雑さに阻まれる解析・シミュレーション

 モータでのエネルギー損失には、さまざまな原因がある。電磁鋼板を積層したコアに磁束が通過することで生じる「鉄損」、コイルの巻き線に発生する「銅損」、摩擦や空気抵抗に起因する「機械損」などだ。
 特に鉄損が大きな課題で、それらは「ヒステリシス損」「渦電流損」などに分類されるが、ここでは「鉄損」とひとまとめにして説明しよう。材料の中を電気が流れると熱を発生させ、結果的にエネルギー効率が低下、つまり損失が発生することだ。

 モータにおける鉄損発生のシミュレーションは、非常に難易度の高いテーマだ。モータには、電磁鋼板や永久磁石などの磁性材料が使われる。そのために解析には、磁性材料そのものの構造、磁気のおびかたの特性、損失発生のメカニズムなどを踏まえ、それらをモデリングする手法が求められる。
 特に損失発生のメカニズムがコンピューターシミュレーションで扱うには複雑すぎることが第一の壁となる。そのため、材料メーカーが提供する素材状態の磁気特性を経験値として頼ることになるが、モータの実機に組み込まれた状態での磁気特性とは必ずしも一致しないという難しさがある。
 さらには、ものづくりの現場では性能とコストのバランスを取るために、さまざまなグレードの電磁鋼板を試すが、グレードの高いものと低いものでは支配的なメカニズムが異なる。それだけ、一口に「損失」と言っても、さまざまな現象が想起される。

 2つ目の壁になるのが、モータの中で発生する磁場の様相がさまざまであることだ。モータの形状の違いによる磁場の空間的な分布による変化であったり、モータに理想的ではない電源が接続されたりするためにモータ内の磁場の変化は単純ではない。

アプリケーションコンサルタント 成田 一行

 「JSOLでは、他社に先駆けて材料メーカーから電磁鋼板のカタログデータを提供してもらいJMAGに組み込みました。ユーザーが材料ごとにデータを入力する手間を省く画期的なものでした。しかし、カタログデータは理想的な状態を前提にしているので、実際の解析では誤差の調整が必要です。しかも別な課題も浮かび上がってきました」

 別な課題とは、「加工」だ。電磁鋼板を加工する際には型抜きやかしめなどがなされる。当然、材料には力が加わり歪みが出る。そのために解析では、別の解析要素が必要になり、ここでも実測と異なってしまう一因になる。
 「本当に微妙なのですけど」と成田は言うが、この「変化のモデリング」まで踏み込んでいかなければ解析の精度を向上させたとは言えない。

 「私たちはマルチフィジックスと呼んでいますが、物理的な変化も含めた鉄材料の電磁的な損失のモデリング手法を確立しなければなりませんでした」

 従来の損失解析では、「スタインメッツの経験則」という交流による励起状態の鉄損を経験式にしたものが使われていた。実際、経験則は実測とよい一致を見せるケースもある。しかし、モータでは、直流や任意の波形を作って回転させたりもする。より解析精度を上げるために成田をはじめとするJMAGのチームは、新たなアルゴリズムを採用した。

(2016年01月現在)

解析の革新をもたらす新しいアルゴリズムの採用→


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