特集

特集

インタビュー

  • 前のページへ
  • 1ページ目
  • 2ページ目
  • 3ページ目
  • 4ページ目
  • 次のページへ

自動車軽量化のための材料結合、破断、ばらつきを一気通貫で検証する機能の開発

 岡村が現在、プロジェクトマネージャー(PM)として開発に取り組んでいるのが、「次世代の自動車車体設計に関するCAE技術開発の戦略立案と新技術開発」。
 このタイトルだけでは、なにをしているのかはちょっと分かりにくいが、具体的には、(1)次世代の自動車車体用材料の破断挙動予測、(2)異種材料間の結合、(3)製品のばらつき評価とその改善、という3つのシミュレーション技術の開発に挑んでいる。

 自動車業界ではここしばらくは、「軽量化」がキーワードになる。環境負荷の低減と安全性能の向上を両立させる。その取り組みを象徴している言葉が、「軽量化」だ。
 そのための手法として最近は、特徴の異なる材料(鉄やアルミ、マグネシウム、FRP=繊維強化プラスチック)などを、最も効果の高い部位に配置する手法「マテリアルミックス」が進んでおり、この流れは変わらないだろう。

 「これまでは材料として主に鉄が用いられてきたこともあり、金属材料の研究開発は鉄が主流でした。しかし、軽量化のオプションとしてアルミやマグネシウムが注目されています。これらの金属は変形や破壊特性が鉄と異なる点も多く、これまでの数値モデル化では正確に表現できないところも多くあります」

アプリケーションコンサルタント 岡村 昌浩

 その上で、さらに必要になるのがアルミ鋳造品や押出部材をはじめとするさまざまな部材を結合する機械結合や接着剤などの接合技術だ。

 「鉄とアルミ・複合材をそのまま結合すると、材料の間に電気的な腐食である『電触』が発生するので接着剤を使いますが、接着剤は使われる場所の環境、つまり湿度や表面状態によって接着状態にばらつきが生じたり、耐久性の検証が日本では不十分であるなどの課題が多く残っています」

 AとBという異なる材料をCという結合方法を用いて部品Dを製造したとして、Dが衝突などの際にどのように挙動するか、シミュレーションを用いて予測する。シミュレーションによって結合させた材料の特性が分かり、その上で衝突の際の破断特性が分かれば、それがスタート時点に戻され、さらに材料の結合技術が検証され、再び破断をシミュレーションする。こうした循環検証が繰り返されて、理想の材料のマッチングや結合の仕方などが導き出されていく。

 「結合や非鉄金属の破断予測などは、欧州が一歩先んじています。その最新情報を入手して社内外に展開するとともに、新技術の開発を効率的に推進したいと考えています」

 もう一つの大きな課題が、「ばらつき」だ。
 開発の現場では車体の軽量化が進み、構造が複雑になることで構造が外乱に敏感になり、それは最終の製品性能のばらつきに直結する。使う部品点数が多いので、部品サイズが0.1ミリ狂っているだけでも、組み上げていくと大きな狂いになってしまう。

 コンピューターシミュレーションは、同じ条件であれば同じ計算結果を返す。しかし実験では、同じ条件のつもりでも必ず結果は異なり、ばらつきが生まれる。そのためシミュレーションでは、わざと条件を微妙に変えた状態で計算を複数回行い、結果の集団が許容範囲に収まっているかどうかを検証する。
 ばらつき問題では、LS-DYNAと共に独SIDACT社のソフトを使ったソリューションを提供している。例えば板金の厚みやスポット溶接の位置がばらついた場合に、車体挙動にどのような変化が起きるか、統計的手法を用いて可視化する。
 岡村は今、材料の結合からばらつき問題の解消まで一貫したソリューションの開発に挑んでいるのである。

(2017年01月現在)

オープン思想に裏打ちされたLS-DYNAの優位性→


※本ページ上に記載または参照される製品、サービスの名称等は、それぞれ所有者の商標または登録商標です。

※当コンテンツは掲載した時点の情報であり、閲覧される時点では変更されている可能性があります。また、当社は明示的または暗示的を問わず、本コンテンツにいかなる保証も与えるものではありません。


  • 前のページへ
  • 1ページ目
  • 2ページ目
  • 3ページ目
  • 4ページ目
  • 次のページへ

ページトップへ戻る

JSOLへのお問い合わせ

関連ソリューション

最新のインタビュー

世界で最も高速なソルバーの開発をめざし製造業のイノベーションを支援

高速かつ高精度なシミュレーションを可能にするソルバー開発の取り組みについて、JSOLのアプリケーションコンサルタントが語ります。

特集

特集SAP

SAP ERPの豊富な導入実績があり、企業の業務改革を総合的にご支援します。

特集Biz∫

人とシステムの融合による業務効率化を目指し、あらゆる企業の変革を迅速かつ確実に実現します。

特集オムニチャネル

コンサルティングからソリューションまでオムニチャネル化に向けた最適なご支援を提供します。

特集JSOLアグリ

農業生産に係る数理計画を中核に、農業生産者の経営指標の見える化と収益拡大を実現します。