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世界で最も高速なソルバーの開発をめざし製造業のイノベーションを支援

近年、モーターや発電機などの電気製品の構造が複雑になり、製品に用いられる材料特性も多様化しています。その結果、製品設計に援用されるコンピューターシミュレーションであるCAE(Computer Aided Engineering)ソフトウエアについても、その処理時間の増加が製造業における大きな課題となっています。JSOL認定プロフェッショナルで、電磁界有限要素解析パッケージソフトウエア「JMAG」のソルバー開発責任者を務める仙波和樹が、高速かつ高精度なシミュレーションを可能にするソルバー開発の取り組みについて語ります。

短い設計時間の中で最適な設計案を導き出すシミュレーションの重要性を製造業界が再認識

 今、製造業のお客様のビジネス環境は大変厳しい競争の波にさらされています。グローバル化が急速に進む中、効率の高い製品を、安価に、かつ他社に先駈けて世の中に提供しなければならず、PoC(概念実証)や試作機を作って検証するための時間と予算がどんどん削られている状況です。

 顕著な例が、自動車業界でしょう。資源制約や環境問題への関心の高まりを背景に、当初の想定以上にガソリン車、ディーゼル車からEV(電気自動車)とHV(ハイブリッド車)へのシフトが急速に進み、また自動運転技術の急速な進化を目の当たりにして、抜本的な意識改革とこれまでにないイノベーションが求められています。自動車のエンジンは、自動車メーカーでしか作ることのできない各社の独占技術でした。一方でモーター、コントローラー、そしてバッテリーは歴史のある電気機器であり、極端に言えばその組み合わせによって自動車メーカー以外でもEVやHVを作ることが可能です。結果的に新規参入が加速しています。対抗する従来の自動車メーカーも、EVやHV向けの高性能な駆動用モーターを開発すべく奮闘しています。

 こうしたパラダイムシフトは自動車業界に限りません。全ての製造業は時間的制約を受けながらイノベーションを模索しています。JSOLの電磁界有限要素解析パッケージソフトウエア「JMAG」が多くのお客様に受け入れられている理由は、その利用により短い設計時間で意味のある設計案を導き出せるからです。建築物を作るときに構造解析が必須となったように、電気機器設計に対するシミュレーションの重要性が製造業界に再認識されていると考えます。

 JMAGは、モーター、発電機、変圧器、ソレノイド、およびアクチュエーターなどの幅広い電気機器製品の設計に援用される純国産のCAEソフトウエアです。機器内部の複雑な物理現象を正確かつ高速に推定できるのが特徴で、1983年のリリース以来、お客様との対話を通じて改良を重ねてきました。お客様の製品開発と研究成果に貢献し、現在は電磁界解析分野ではトップクラスのシェアを占めるまでになりました。国内のみならず世界中の企業や教育機関、研究所などで利用されています。

 私の所属するJMAGビジネスカンパニーは1年ほど前に、それまで所属していたエンジニアリングビジネス事業部から独立し、JMAG専業の独立した組織として活動を開始しました。JMAGの開発、販売、ならびに技術サポートを行っています。私はその中で開発を担当しています。

 JMAGは、主に3つの機能要素で構成されています。1つはGUI(Graphic User Interface)です。シミュレーション対象となる電気機器をコンピューター内でモデリングするためのプリプロセスや、シミュレーション結果を画面上で可視化するポストプロセスがこれに該当します。
 2つ目は自動メッシュ生成機能です。微分方程式の近似解を求めるシミュレーション技法であるFEM(Finite Element Method;有限要素法)にとって、空間中の物理量を正確に表現できるメッシュの生成はとても重要です。JMAGは、独自の形状認識技術を駆使し、かつ熟練ユーザーのメッシュ生成にかかわるノウハウを内包した高品質な自動メッシュ生成機能を提供しています。
 そして3つ目がソルバーです。電磁界シミュレーションにおけるソルバーとは、メッシュ分割されたシミュレーション対象の形状、材料、および境界条件に基づいてマクスウェル方程式を解き、空間中の磁界分布や物体に働く力など、物理的な結果を出すための機能です。近年では電気機器の最適設計を自動的に行うための大量ケースのシミュレーションや、詳細な三次元形状を用いた大規模シミュレーションのニーズが高まっています。

 また、近年のモーターなどではその高回転化に伴い、応力や熱の影響を加味するため、電磁界シミュレーションだけではなく構造シミュレーションや熱シミュレーションなどとのマルチフィジックスの活用も進んでいます。私はソルバー開発の責任者として、電磁界シミュレーションを中心に、物理現象を数式に変換し、それを用いてプログラムを作成する業務を担っています。

(2018年10月現在)

クラスタシステムやメニーコアCPUを利用する高並列処理でソルバーを高速化→


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