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リスクマネジメントABC 個人方法保護法 現状の実効性を疑え 日刊工業新聞 2006年(平成18年)11月16日掲載

リスク管理
平成15年(03年)5月の公布から2年間の準備期間を経て、平成17年4月に個人情報保護法が全面施行されてから約1年半が経過した。企業はこの間、対策事務局等を設置し、幾多の対策を検討・実施してきたはずである。この際、外部事業者への委託費、設備の導入費等、多額の費用を要した企業も少なくない。一方で、「顧客の個人情報十万件を紛失」といった報道を目にする現状もある。

漏えい元・漏えいした者内閣府国民生活局個人情報保護部会の調査によれば、一年間に発生した個人情報漏えい事案の件数は、平成16年度の405件に対し、平成17年度では、約4倍の1556件となっている。事案が発生した場合、2次被害防止等の観点から可能な限り事実関係等を公表すべきとの要請が、報告件数の増加に表れた結果と思慮できる。この発生件数を直視すると、現状では個人情報保護対策が完了したとは言えない。

準備と実運用を合わせた約4年弱の取り組みを個人情報保護対策の第一ラウンドと位置づけると、この成果は、体制の整備、一通りの対策の実施といった「個人情報保護に対する組織としての枠組みを整備した」にすぎない。表からも分かるように、漏えいの原因が従業者に帰する事案の割合は約8割を占め、対策が現場レベルで十分機能していないのが現状だ。

こうした企業においても、対策の実施に伴い、外部事業者等から多数の提案を受け、その中で最善と考えられる対策を採用されてきたことと思う。外部事業者の提案も基本的な方針は間違ってはいない。しかし組織外の第三者が、各組織の業務特性等を作業レベルまで斟酌した対策を提案することは困難が伴う。
その結果、現場の業務効率性を低下させ、対策の実効性が失われる可能性がある。個人情報保護対策の第二ラウンドでは、この課題に取り組み、漏えい事案の発生件数の削減、および漏えいした場合の即時の検知の実現を目指すべきである。そのためにも、まずは約2年間取り組んできた対策の実効性を確認する。その上で、過剰な対策や実業務との乖離が著しい対策の有無を検証・特定する。

ここで対象となった対策については、代替策の検討に加え、業務プロセスの変更といった改善策も検討する。改善策の検討には、現場管理者等へのヒアリングを行う等も一つの方法。こうした個々の実効性の検証が、真に実効的な個人情報保護につながるのである。

法施行に伴い、個人情報に対する国民の関心は格段に高まった。現状の対策に満足せず、個人情報保護の重要性を再認識した上で、一旦現状の実効性を疑って掛かるくらいの取り組みを行う方が、強い組織作りにも寄与するのではないか。(日本総研ソリューションズ)


執筆 技術本部:横田 元利

※日刊工業新聞 2006年11月16日 掲載記事より転載

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