(2024年10月現在)
JSOLは2024年6月1日、スポーツクライミングの安楽宙斗選手と所属契約を締結しました。
JSOLは、パーパス「変化を見通し、確かな未来をカタチ創る。」をはじめとする経営理念のもと、立ちはだかる困難に決してあきらめることなく立ち向かい、柔軟な発想とスピーディーな行動力で着実に課題を解決しながら、「未来志向のアプローチで迅速に対応し、お客さまのビジネスを確実に成功へ導く」ことを提供価値と考えています。
安楽選手が取り組まれているスポーツクライミングは、急角度にそびえ立つ壁に打たれたホールドを使い、最善のルートを迅速に読みながら、頭脳と身体を駆使して確実にゴールへの完登を目指すスポーツです。この点で、当社のブランドイメージと非常に親和性が高いと言えます。
ここでは、最強のクライマーを目指す安楽宙斗選手に、一つひとつの課題との向き合い方、強くなるための努力や考え方をお聞きしました。世界を舞台に戦う若きトップアスリートが語る言葉・マインドは、ビジネスの世界にも通ずるものであり、私たちに多くの示唆を与えてくれます。JSOL代表取締役社長 永井健志との対談をぜひご覧ください。

左)株式会社JSOL 代表取締役社長 永井健志
右)スポーツクライミング 安楽宙斗選手(JSOL所属)
世界を相手に戦うことで、大きな自信がついた
永井:
2023年からユースからシニアへと変更して、戦いの舞台を世界へと移されましたね。戦う場所、戦う相手が変わったことで、それまでと何か変化はありますか。
安楽選手:
海外、特に欧州ではスポーツクライミングの人気は高くて、大会には毎回、多くの方が応援に来てくれています。たくさんの人が見ているという不思議な緊迫感と極度の緊張の中で戦っているので、自分に対して自信がついてきたと感じています。昔と比べると、クライミング以外のことにも積極的にチャレンジできるようになりましたね。母が言うには、子どものころは200メートルくらいの場所にもお遣いにも行けなかったそうですから(笑)。
永井:
それが今では世界の舞台で戦っている! (笑)
大会後に安楽さんとお話しをすると、「新たな改善ポイントが見つかった」と、常に自分自身を冷静に見つめて、成長に向けて前を向いていると感じます。
安楽選手:
試合後には、すぐに冷静になって自らの登りを客観的に分析して、この登り方のどこに弱点があったのか、その弱点を克服するためには何を強化したらよいのかを考えています。
今年の夏に出場した大会では、肩の安定性の補強と、基礎体力の強化に課題を感じました。特に、海外の選手は僕が想像できないくらい体が強いので、みんな体を使って楽に登っていくことができるのだと思います。ただ、僕の場合、ヒョイヒョイと動くタイプなので、腕の筋肉が張ってきてちょっとでも動かすと落ちてしまうという状況になったら、本当であれば肩を安定させることで腕を固定し、体の力で登っていく、という風に切り替えなければいけないんですが、その力と能力がまだまだ足りないと気づいたんです。
だから、腕の筋肉がもう限界で腕の力で登ることができなくなったとき、体でなんとか耐えながら登っていくためには、全身運動の持久のための基礎体力だったり、肩の安定性を鍛えることで、さまざまな課題をクリアできることにつながるんだと思います。
前々から何となく感じてはいたのですが、この大会を通じて、改めて浮き彫りになりました。
永井:
今まではどちらかというと、自分の得意分野を伸ばすようにしてきたと言っていたように思うのですが、それだけでは足りないと考えるようになったんですか?
安楽選手:
今年に入ってから、さらに大きな舞台で活躍できるように、自分の得意分野を伸ばしつつ、これからは苦手な分野や足りない分野にもトライしようと考えてきました。
例えば、昨年まではあまり思い切り一気には上がらず、身体の重りを生かしつつ、少しずつ上に上がっていくスタイルでした。でも、もっともっと強くなるためには、自分の得意分野を伸ばしつつ、他の選手の強みにも食らいついてみようと思ったんです。具体的には、先ほどお話しした基礎体力をつけて体を強くすることや、上のホールドに飛び移るときに必要なんですが、力を押しての出力上げといったこと、そういうのを新たに取り入れるようにしました。また、リードはゆっくりと落ち着いて登ることを意識するように訓練してきました。
一番強いクライマーになるために、試行錯誤しながら、こういった自分の苦手な分野、足りない分野に取り組んできました。
一つひとつの課題に毎回本気で、真剣に向き合う

永井:
ボルダーは1試合の中で4課題ありますが、うまくいく課題もあれば思った通りには行かないものもあると思います。気持ちの切り替えが大変ではないですか?
安楽選手:
気持ちの切り替えをうまくできる人とできない人はいると思います。僕はうまくできる方だと思っています。課題が終わったら、とりあえずその時はもう考えない。一切忘れる(笑)。
でも、やっぱり登れないと「うわ、やっちゃった」という気持ちになることはあります。ありますが、僕の場合、次の新しい課題が目の前に立ちはだかると、単純にこの課題を登り切りたい!っていう気持ちでいっぱいになります。次の課題に目と頭を奪われるんです。一つひとつの課題はこの場限りでなくなってしまい、もう二度と出会うことはない。だからこそ、この課題を登り切って気持ちのよい達成感を味わいたいと思い、一課題一課題に常に真剣に取り組んでいます。結果的に、前の課題のことは忘れていますね(笑)。
中には「無理かも」と思う課題もありますが、そういうときこそ制限時間いっぱいをかけて、より一層集中して取り組んでいます。基本ははやり、スポーツクライミングが好きなんですね。とても楽しんでいます。
永井:
JSOLも、パーパス「変化を見通し、確かな未来をカタチ創る。」をはじめとする経営理念のもと、「未来志向のアプローチで迅速に対応し、お客さまのビジネスを確実に成功へ導く」ことを当社の提供価値ととらえ、事業活動を行っています。立ちはだかる一つひとつの困難に決してあきらめることなく立ち向かい、それぞれの課題の本質を深く理解したうえで、既存の概念にとわられない柔軟な発想とスピーディーな行動力で着実に課題を解決していくことが、JSOLらしさ、JSOLブランドだと考えています。
その点で、本当にスポーツクライミングという競技内容、そしてその競技に立ち向かう安楽選手の考え方、姿勢に、本当に近しいものを感じています。
安楽選手:
僕も初めてJSOLブランドの説明を聞いたとき、思わず「おおーっ」て声を出していました(笑)。本当に、スポーツクライミング競技の世界と同じ世界観でした。
永井:
2024年4月にJSOLブランドを構築・お披露目してから1カ月、安楽さんの所属企業にとの話を聞いたときには、何かの縁を感じました。誕生年もJSOLと同じ2006年! これは本当に運命でしたね(笑)
成功したときこそ、なんでできたのかを冷静に考える

永井:
日々の練習の中で、何か大切にしていることはありますか?
安楽選手:
当たり前なんですが、練習こそ本気で取り組んでいます。設定した課題に失敗したときだけでなく、登れたときも「良かった、登れた。はい次!」と素通りするのではなく、何度も反復練習を繰り返して、違う登り方はないか、体の使い方や力の入れ方、角度などを考えながら工夫することで、より良い方法、気づきを見つけるようにトライしています。どうして失敗したんだろうと考えるだけではなく、成功したポイントを考えなければ、次には決してつながらないと思います。その積み重ねが、自分を信じる力につながり、集中力にもつながるんだと信じています。だから、僕はどんなに大きな舞台に立ったとしても、緊張よりも自信のほうが大きいと思います。
永井:
その結果、2023年はボルダーとリードの両方で年間王者となり、今年に入ってからもワールドカップをはじめ大きな大会で素晴らしい成績を残されましたね。2024年もボルダーで年間王者となった今、次の目標を聞かせていただけますか。
安楽選手:
僕の目標は、「最強のクライマー」です。圧倒的に強くなりたい。そのために今は、何年か先のことを見据えるというよりも、まずは毎年毎年、一戦一戦、一課題一課題に正面から真剣に取り組んでいきたいと考えています。次の大会に向けてどこをどう直すべきか考えながら課題に向き合っていけば、一歩一歩着実に強くなれると信じています。今年、ボルダー年間王者を獲得できましたが、今シーズンは自分としてはあまり満足いく結果ではありませんでした。来シーズンは、もっともっと強くなりたいと思っています。
永井:
一つひとつの課題に真剣に取り組むことの重要性というのは、ビジネスの世界も同じです。目の前の課題に正面から向き合い、課題の本質を見極めて課題解決に取り組むことを積み重ねていくことで、短期的な成果だけでなく、長期的な成長、そして成功へとつながっていくんだと考えています。
すべての経験を楽しみ、スポーツクライミング振興にもつなげたい

永井:
2024年はたくさんの大会で活躍され、周囲からの注目も一気に高まっているんじゃないですか?
安楽選手:
そうですね。地元を歩いていたり、駅で電車を待っていたりするときに、知らない方から「応援してるよ!」「頑張ってね!」など、急に声をかけられるようになりました。
メディアからの取材や出演の依頼も増えましたね。
永井:
本当に、いろいろなテレビ番組やネット媒体などで見かけるようになりました。練習量は減ったりしていないですか?他の選手と比べてハンディに感じたりしませんか?
安楽選手:
練習量はほぼ変えていません。取材の日程をかわしながら練習はしっかりやっていますし、取材の日にはその前後の時間で筋トレなどをしています。全くハンディに感じたりはしていません。むしろ、試合とはまた異なるステージに立つことで違った緊張感を味わえることができています。こうしたこともすべて良い経験、良い訓練だと思っています。
永井:
そんな風にとらえられることが、本当にすごいと思ってます。思うような成績が残せなかった大会でも、その後のインタビューを聞いていると、「新しい課題が見つかった」とか「これが今の自分の実力。次に向けてやるべきことをやっていきます」など、すべてにポジティブですよね。常に前を見ている。それが本当にすごい。誰もができることじゃないです。
安楽選手:
うまくスケジュールを立てながらやるべきことをこなし、きちんと切り分けてその一つひとつに集中することができれば、怖いものはないと思っています。
それに、僕のもう一つの目標は、スポーツクライミングをポピュラーなスポーツとしていくことです。メディア出演についても、自分がテレビなどに出ることでスポーツクライミングという競技を知っていただくことにつながればと思っています。8月に東京で開催されたイベントに参加してくれたお子さんが、その足でクライミングジムに入会したと聞いて、とてもうれしかったです。と言いつつ、自分自身の経験として楽しみたいという想いも強いです(笑)。
皆さんにもまずはスポーツクライミングという競技に興味を持っていただきたいですね。ネット中継でもいいのですが、できれば大会を会場に見に来てほしいと思います。僕を応援してほしいということだけでなく、スポーツクライミングは単純に観て楽しいし、面白いんです。選手一人ひとりの登り方の違いとか、その人の登りだけでなく全体の登り、全体の流れを含めてスポーツクライミングを楽しむことができると思います。観てみると、誰とかにかわらずすべての選手を応援したくなるほど面白いと思います。
永井:
JSOLでは安楽選手の大きな大会があったときに会社でパブリックビューイングを行い、たくさんの社員と観戦しました。確かにその時、最初は安楽選手の登る姿を追っていたのですが、いつの間にかほかの選手の競技にも手に汗を握り、落下してしまうと「ああ~」とどよめきが起こるなど、スポーツクライミングそのものに入り込んでいました。競技の前のオブザベーション(出場選手がホールドの配置を他の選手と確認する)では他の競合選手と相談したり、本当にスポーツクライミングは素晴らしい競技ですね。
JSOLはこれからも、スポーツクライミングの振興に寄与するとともに、安楽選手が「最強のクライマー」となるべく、微力ながら支援していきたいと思います。
ますますの活躍を期待しています。今日はありがとうございました。
安楽選手:
ありがとうございました。

プロフィール
安楽 宙斗(あんらく そらと)
2006年生まれ。JSOLと同じ年。小学2年の時にスポーツクライミングと出会う。競技種目は「ボルダー種目」と「リード種目」で、クライマーとして圧倒的に強い選手を目指す。
自身の成長だけではなく、クライミング界を盛り上げ、多くの人々に希望や勇気を与えられる存在になることを目標とし、今後のクライミング界を背負っていく期待の有望選手。
永井 健志(ながい けんじ)
1968年生まれ。東京大学工学部都市工学科卒業。社会インフラを造り出す仕事を志向し、在学中は上水道システムを専攻。研究で用いたシミュレーションやARPANET(インターネットの前身)で社会インフラとしてのITの可能性を痛感し、90年NTTデータに入社。公共システム事業本部でグローバルなエコシステムを下支えする社会インフラシステムの企画・構築に長く携わり、ベトナム赴任などを経て2020年執行役員・中国総代表(中国・台湾法人の会長兼務)、21年中国・アジア太平洋地域ヘッド。22年6月より現職。
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