変化するメディア業界の中で、独自性を強みとするWOWOWの新サービス拡充を支えてきた会計システムBiz∫。長期利用によるノウハウの蓄積が新たな事業展開の支援に

日本初の民間衛星放送局として1991年に開局し、2021年に開局30周年を迎えたWOWOW。開局当初より独自性を強みとして、BSデジタル放送による3チャンネル化、4K放送、ネット配信、オリジナルコンテンツ拡充、イベント開催など、新サービスを追求し、拡充してきたが、事業の幅が広がれば、経理業務もそれに対応して処理が増えていた。しかし、長年利用してきた会計システムは放送事業に特化した海外製品であり、新サービス展開時の経理の負担は重かった。そこで2015年に国産のERPパッケージ「Biz∫」を導入して新たな会計システムを構築した。その提案から構築、導入後のサポートを行ってきたのがJSOLである。

キーワード

業務

業種

課題・解決・効果

課題

  • 放送事業に特化した既存の海外製パッケージ会計ソフトは、拡張性が低かった

  • 新サービス等を展開する際、経理部の作業負荷が高かった

  • 将来のサービス拡充を見据えた理想の会計、経理の業務体系の確立を目指していた

解決

  • 会計ソフトとしてBiz∫を導入

導入効果

  • ネット配信など、放送以外の事業にも対応した会計系システムを構築

  • 国産の会計システムのため日本の商習慣に準拠。法改正や会計基準の改定にもバージョンアップで対応可能

  • 極力標準機能を活用し、放送業界特有の会計処理だけを追加開発。バージョンアップ時の負荷を軽減

  • 業務効率が高まり、経理部員の残業時間が短縮

インタビュー動画(05:34)

コンテンツの制作、放送、配信を支える会計システム

 日本初の民間衛星放送局として1991年に開局して以来、映画やスポーツ、ライブステージ、オリジナルドラマなど、バラエティー豊かな映像コンテンツを放送、配信してきたWOWOW。近年ではBSやCSといった既存の放送事業だけでなく、デジタルの進化に合わせてインターネットを経由した動画配信サービス「WOWOWオンデマンド」や映画事業、イベント開催にも注力している。経理部としても、こうした時代のスピードに合わせて迅速に対応することで、WOWOWの多岐にわたる事業展開を支え、番組制作をはじめとする幅広い事業にかかわるさまざまな経費の管理、決算などを行ってきた。
 経営管理局 担当局長 兼 経理部 経理部長の西岡知之氏は、経理部の取り組みについて、「各コンテンツの制作現場とコミュニケーションを取りながら、それぞれの予実データを迅速に経営層へ伝えています。これにより、事業の方針を定めつつ、現場がやりたいことをどうしたら実現できるかを考え、その管理体制の構築を目指しています」と語る。
しかし、そこには課題もあった。それまで使っていた会計システムでは、新規事業を展開するときの負担が重かったのである。WOWOWは開局以降、3チャンネル化、オリジナルコンテンツの充実、ネット配信など、事業を拡大してきたが、西岡氏は「以前は、放送事業に特化した海外製の会計システムを利用していました。そのため放送以外の事業、例えば動画配信サービスやイベントの管理には細かな点で対応できなかったのです」と当時の課題を挙げた。
 「コンテンツの制作、配信には、番組ごとに予算管理や実績の調査、番組勘定の費用化といった会計処理が必要になります。しかし、当時利用していた会計システムは実状にそぐわない機能も少なからずありました。経理部ではその都度、手作業で対応していたのです」(西岡氏)
 だが、エンターテインメント業界の変化は速い。サブスクリプション型動画配信サービスの隆盛など、業界が激変する中で新規事業をスピーディーに経営判断し、展開していくことをサポートするには「会計システムの刷新が求められていた」と西岡氏は語る。
 そこで2015年に導入したのが、NTTデータ・ビズインテグラルが提供するERPパッケージの「Biz∫」であり、それを提案、導入支援したのがJSOLだった。

株式会社WOWOW
経営管理局 担当局長 兼 経理部 経理部長
西岡 知之氏

理想の業務体系を目指す試みをサポートしたJSOL

 会計システムの刷新に取り組む西岡氏には「一つの思い」があったという。
 「現状の課題を何とかしたいだけなら、それを解決するシステムを導入すれば済みます。しかし、経理部が目指したのは、目の前にある課題の解決ではなく、『未来に向けた新たな一歩につながる経理』です。そのために必要だったのが、将来の事業やサービスの拡充を見据えた『理想の会計、経理の業務体系』を実現可能な会計システムでした。それを最初に定めておかないと、『必要だから』とその都度機能を追加した挙句、肥大化したシステムになりかねません」(西岡氏)
 そこでシステム刷新の前に、西岡氏は業務全体の棚卸しを行ったという。そうして固まった要望をもとに、いくつかのベンダーに対してコンペを行ったところ、もっとも惹かれたのがJSOLによるBiz∫の提案だった。
 「JSOLは、WOWOWの要望に対して、その実現方法を一つひとつ丁寧に提案してくれました。対応に苦慮するような要望もあったと思いますが、JSOLはそれでも私たちの立場に寄り添ったうえで、次善の策を出してくれました。Biz∫の機能はもちろんですが、JSOLのそういった姿勢に強く惹かれたのです」(西岡氏)

課題や要望をしっかり受け止めてくれるPMへの信頼感が、選定の決め手に

 西岡氏は、ベンダー選定時のやり取りを振り返ったうえで、「個人的に重視したのは、プロジェクトマネジャー(PM)に対する信頼感」と説明する。
 「こちらの要望や課題に対して、ベンダー自身が腹落ちしていない状態で提案されると、信頼関係は築きにくいものです。その点、今回のベンダーであるJSOLのPMは私たちの要求に対して一つひとつ、詳細かつ丁寧に説明してくれました。私たちの課題を十分に理解したうえで、提案を作りこんできたことが伝わりました」(西岡氏)
 JSOLのPMだけでなく、プロジェクトメンバーの対応にも満足していると西岡氏は口にした。Biz∫の構築時にはJSOLの担当者がWOWOWに常駐し、現場でどのような経理業務が行われているのかを確かめながら、放送業界特有の事情、WOWOWの仕事の進め方を調査していった。
 「JSOLの方々は、現場に常駐することで、経理部の要望をきっちりと理解してくれました。実状を把握したうえで課題解決に取り組む姿勢は、とても印象に残っています」(西岡氏)

バージョンアップ時の負荷を抑えるため、極力カスタマイズを回避

 2015年、Biz∫を使った新しい会計システムが稼働を開始。それ以降、WOWOWは現在まで8年にわたって同システムを活用してきた。長期に利用して感じたメリットについて西岡氏は、「国産であることの使いやすさと納得感」を挙げる。
 「海外製のERPパッケージソフトとは異なり、Biz∫は日本の商慣習に合わせた製品です。初めて触れたときから、『よく作り上げられた仕組み』と感じていました。私たち放送業界には、一般の企業とは異なる特殊な会計ルールなどがあるため、ERPが標準的に持っている機能では対応できないケースもあるのですが、Biz∫なら日常業務にうまく落としこめます」(西岡氏)
 そのうえで西岡氏は、長期利用を見越して構築時に配慮した点として、「極力カスタマイズをしない」方針を挙げた。
 「多くのカスタマイズを施すと、Biz∫をバージョンアップする際にも確認項目が増えるなど手間がかかります。そのため、なるべく標準機能を活用して、WOWOW特有の業務フローや会計処理がある部分のみを追加開発しました。例えばカスタマイズする対象は、「番組計上・償却」のような放送業界特有の会計処理に限定し、標準機能からの変更を可能な限り抑えたのです。
 そのようにして標準機能とカスタマイズした機能をはっきりさせておくと、バージョンアップ時に注意するところが明確になります」(西岡氏)
今では業務効率が改善し、導入前と比べて「月の残業時間が、減ってきた」と西岡氏は言う。

Biz∫を駆使して、経営に寄与する経理へ

 法改正や会計基準の改定など、経理業務にまつわる状況は日々変化をしていくが、西岡氏は「それでもミスが許されないのが経理の仕事」と説明する。
 「日本で法改正や会計基準の改定があると、税務、経理の業務も影響を受けます。海外のERPパッケージ製品を導入していたころは、こうした改定による変更に対して非常に大きな労力をかけて対応していました。しかしBiz∫は、NTTデータ・ビズインテグラルがバージョンアップして対応してくれるので、経理部としては負担が軽いうえに安心して使えるわけです」(西岡氏)
 ワークフロー分野で国内No.1シェアを持つ「intra-mart」をベースとするBiz∫は、国内の多くの企業で利用されている。幅広い業種、業界で使われることから生じるメリットもあった。
 「WOWOWで使っているだけでもさまざまなノウハウが蓄積されますが、それは他社でも同じこと。多くの企業で蓄積された多種多様なノウハウがBiz∫の機能、使いやすさをさらに高め、そのメリットを私たちユーザー企業が享受していくというサイクルが生まれます。今後、こうしたフィードバックがより大きくなっていくことを期待しています」(西岡氏)
 Biz∫を利用してきた8年間を振り返り、西岡氏は「経理部は現場の状況や社会の流行、動向を経営層にタイムリーに伝えるなど、より能動的な業務に取り組めるようになりました。今後も、リモート業務やデジタル監査、属人化の解消など、JSOLと連携を取りながらさまざまな場面でBiz∫を活用していきたいと考えています」と、さらなるJSOLとBiz∫への期待を述べた。

左)JSOL 新井田 亮、右)株式会社WOWOW 西岡 知之氏

企業情報

株式会社WOWOW様 ロゴ

会社名

株式会社WOWOW

本社所在地

〒107-6121 東京都港区赤坂5-2-20 赤坂パークビル21F

設立

1984年12月25日

開局

1991年04月01日

事業内容

メディア・コンテンツセグメント、テレマーケティングセグメント

WEBサイト

(2023年07月現在)


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