「みんなが顧客目線」をテーマに掲げ 、全社的に取り組んだSalesforceの導入。情報を一つに集約して営業部門、製造部門、サポート部門で共有、「お客さまに寄り添った業務改革」を推進
工作機械の開発・製造・販売を手掛けるシチズンマシナリー。CNC自動旋盤で世界をリードする同社では、近年「みんなが顧客目線」をテーマに掲げ、顧客を常に意識して業務全体を見直す活動に取り組んでいる。その実現のために導入したのが、顧客情報を一元的に管理するためのSalesforceだ。JSOLは、Salesforceの価値を生かしたシステム構築を担った。
課題・解決・効果
課題
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顧客と接する営業部門だけではなく、全ての部門で「顧客目線」に変えていきたい
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複数のシステムで分断され、部門間で困難になっていた情報の共有を実現したい
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引合い発生時点から全ての顧客とのやり取りを記録して分析することで、新たな付加価値を提供できるようにしたい
解決
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Salesforceを活用して業務プロセスを統合的に一元管理することで、全ての顧客との接点情報を集約。部門間での情報共有と伝達ができ、情報分析が可能なCRMシステムを構築
導入効果
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営業部門だけでなく、製造部門やサポートなどの部門とも顧客情報を共有、顧客のニーズを全社で理解・部門間のコミュニケーションが活性化
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営業引合いから生産計画までシステムにより一気通貫で連携、生産効率が向上
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レポート機能でタイムリーにデータを分析。今後は柔軟な生産体制や予防保全にも活用
ユーザーや市場のニーズを把握し、それぞれに合わせた「個の量産」を目指す
ものづくりの過程で欠かせない、金属などを削って部品を作る工作機械。その中でも、材料を回転させながら削るCNC自動旋盤で、世界をリードするのがシチズンマシナリーだ。
ものづくりにおいて同社のコンセプトが「個の量産」である。近代の製造業は、同一製品を大量生産することによって低コストと高品質を両立してきたが、個々のニーズに対応したオリジナリティーの高い多種多様な製品が求められており、相反する「量」と「個」を両立させることへのジレンマに対する答えが「個の量産」というキーワードだ。
営業本部 営業推進部 営業企画課 課長の坂下大介氏は、「私たちは『一つひとつ、お客さまにとって最適なものを作る』ことと、『量産と同じレベルの効率、コスト、リードタイムで作る』ことは両立できると考えていました」と語る。
シチズンマシナリーは、先行して製造部門やサービス部門での改革を進めてきたが、2018年からは営業部門の業務改善にも着手した。その際に重視したのが、「お客さまを中心とした仕組みを構築する」という点だ。管理本部 情報システム部 部長の宮沢淳也氏は「潜在的なニーズを迅速にキャッチして製造に展開していくには、お客さまとの接点が何より大切です。お客さまの情報を集約して全社での共有を可能とする、ソリューション基盤の再構築が必要でした」と説明する。
その顧客目線での業務改革を実現するために導入したのがSalesforceである。新たに作りあげる営業機能の豊富さに加えて、既存のシステムが持つ機能性を維持しながら統合できるソリューションとして最適と判断したためだ。そして、Salesforceによる新たなシステムを構築するパートナーとして選ばれたのがJSOLだった。

左)シチズンマシナリー株式会社 管理本部 情報システム部 部長 宮沢 淳也氏
中)シチズンマシナリー株式会社 営業本部 営業推進部 営業企画課 課長 坂下 大介氏
右)シチズンマシナリー株式会社 管理本部 情報システム部 情報システム課 1係 係長 中嶋 善夫氏
「みんなが顧客目線」。営業、サポートにわたる全ての顧客接点を一元管理
シチズンマシナリーでは、それまでも業務を行うために必要なシステムを利用していた。独立した三つのシステムが利用され、さらに付随する形でいくつものアプリケーションが使われていたという。しかし、「以前は各部門が業務を回すことを主眼としたシステムで、それぞれが独立していました。そこで新しいシステムを作るに当たり、三つのシステムも統合しようと考えました」と管理本部 情報システム部 情報システム課 1係 係長の中嶋善夫氏は説明する。
顧客企業の工場に設置された工作機械は何十年と長きにわたり稼働し、1台目が老朽化したら2台目、3台目と更新するケースも多い。だが長い取引の間には、営業担当者やサービス担当者が変わることもある。そのような視点で見たとき、以前のシステムには欠けていた部分があった。
例えば、商談初期の引合い発生段階での情報共有だ。従来は、顧客との話が進み、「工場に確認を取ろう」という段階でシステムに情報を入力していた。そのため、引合い発生段階での情報は営業担当者だけが認識し、他の営業スタッフや他部門には共有されないままだった。しかし、早い段階からの顧客のニーズを共有することは、「顧客目線の業務改革」を推進する上で重要である。
「引合いや案件は会社の財産ですから、誰もが確認できる場所に集約し、一元管理するべきです。そこで、お客さまとのやり取りを最初のところからSalesforceに記録したいと考えました」(坂下氏)
「当初、営業部門の業務改善として始まったプロジェクトは、次の段階で『顧客目線での業務改革を会社全体で推進しよう』という意識改革を伴うものになっていきました」(宮沢氏)
その際に掲げたテーマが、「みんなが顧客目線」である。これにより、プロジェクトは「引合い発生」「受注活動」「内示」などの業務を行う営業だけでなく、生産段階における「生産指示」「出荷」、コールセンターやアフターサービス が行う「修理」「保守部品の管理」「手配」などの業務部門にまでまたがる大規模なものとなった。
各領域のリーダーを立て、両社で議論を重ねながら構築
2019年にセールスフォース・ジャパンとともに新システムの構想を固めた後、2020年4月よりシステム構築に着手、JSOLが参画することとなった。
このプロジェクトにJSOLの参画を持ちかけたのはセールスフォース・ジャパンだった。宮沢氏は「幅広い領域にまたがるシステムをマルチクラウドで構築するとなると、大規模な開発になります。これに応えられるノウハウ、知見を持っているSIerの数は限られており、紹介されたのがSalesforceでの開発実績を多く持つJSOLでした」と振り返る。
「JSOLには、営業、製造、サービスと多岐にわたる当社の業務フローを理解してもらった後、改めてSalesforceに適した業務フローのあり方、具体的な機能に落とし込む対応などについて、話し合いながら進めていきました。
例えば、Salesforceには多種多様なプロダクトやライセンスがあります。そのうちどれが適しているのかを相談したり、標準機能で対応できるもの、オプションやカスタマイズが必要なもの、サードパーティーのアドオンなどを丁寧に説明してくれました」(中嶋氏)
シチズンマシナリーは、営業、設計、技術、コールセンター、アフターサービス、などの部門から30名ほどのメンバーを集め、プロジェクトを組成した。JSOLも、領域ごとにリーダーを立て、各部門のメンバーとの専門的な議論ができる体制を作った。
「想像していた作業量より膨らんだのですが、JSOLは諦めずに取り組んでくれました」(宮沢氏)

部門間のコミュニケーションが進展。柔軟な生産体制、需要予測や予防保全にも期待
新システムが稼働したのは2023年初頭だ。まだ情報を蓄積し始めたばかりの段階ではあったが、すぐに各部門の連携のしやすさを実感した。
「以前は営業と工場がやり取りする際手段はメールや電話が多く、基本は1対1のやりとりでした。しかしChatter(Salesforce内のチャットツール)なら、n対nのコミュニケーションが可能なので、組織として情報を共有しやすくなりました。やりとりの履歴も残るので、営業やサービスの担当者が変わっても過去の経緯が分かりますし、途中からでも別の部門がスムーズに参加できるようになりました」(中嶋氏)
サービス部門では、Salesforceのレポート機能で自ら分析するケースも見られるようになってきたという。以前は情報システム部門に依頼していた分析が、Salesforceを使えば、抽出条件などを設定するだけで、必要に応じてすぐに入手できるようになったのだ。
ほかにも、訪問先でもモバイル端末からSalesforceにアクセスできるようになり、多言語対応になったことで海外拠点の情報も集約できるなどのメリットも感じられている。
将来、さらに多くの情報が蓄積されていけば、よりスピーディーで柔軟な生産体制へと移行することができ、データを分析して高度なアフターフォローをできるという期待もある。
「工作機械の製造は時間がかかります。お客さまに少しでも早く製品を届けるためにも、需要予測や生産の見通し、リソースの最適化はとても重要なことです。今までは生産計画を変更することは容易ではなかったのですが、優先度の高い注文が入ったときに調整しやすくなるのではないかと期待しています」(坂下氏)
「今、メンテナンスの業界では『予防保全』が注目されていますが、蓄積されたデータを分析すれば、お客さまに対して点検時期をタイミングよく提案しやすくなります。また、蓄積データの分析結果をお客さまと共有すれば、より質の高いサポートも実現可能です」(中嶋氏)
5年近いプロジェクトを振り返り、宮沢氏は「蓄積された情報が本格的に活用されるようになれば、今回のプロジェクトの真価がもっと多く見えてくるでしょう。JSOLは、困難なプロジェクトに共に立ち向かってくれました。今後も一緒に走り続けていただきたい」と期待を述べた。

左から、JSOL 辻野 貴士、内田 篤 、藤田 尚、シチズンマシナリー株式会社 坂下 大介氏、宮沢 淳也氏 、中嶋 善夫氏、JSOL 小島 崇利、海野 智暁
企業情報

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会社名
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シチズンマシナリー株式会社
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本社所在地
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〒389-0206 長野県北佐久郡御代田町御代田4107-6
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創立
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1930年(昭和5年)5月28日
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事業内容
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工作機械(CNC旋盤)の開発・製造・販売
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WEBサイト
(2023年07月現在)
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