内製化の一環としてRPA「Blue Prism」を導入。1年目「10部署導入」、2年目「5000時間の作業削減」を目標に掲げたプロジェクトをJSOLが支援

全国に400店舗のスポーツ用品店を構えるアルペンは、内製でITシステムの開発・構築に取り組み、これまでにさまざまな効果を挙げてきた。そんな中、新たに利用していたクラウドサービス間の連携に着手、2022年にサーバー型のRPA「Blue Prism」導入の検討を開始した。しかし一筋縄ではいかず、苦慮していた開発を支援したのがJSOLだった。これにより Blue Prismの正式採用を決定、JSOLのサポートを受けながらRPAの活用を広げていった。

キーワード

業務

業種

課題・解決・効果

課題

  • クラウドサービスとETLツールを組み合わせながらITシステムの構築を内製で推進してきた。これらシステム間の連携を補完するためRPA導入を検討

  • 試用したRPAでは、外部サイトのボタン位置が変更されるとボタン押下がうまく動作しなくなり、ロボットの処理がたびたび停止。確実に実行できるRPAを導入したい

  • 野良ロボットの量産を防ぎたい。サーバー型のRPAで担当部署が一元的に管理したい

解決

  • サーバー型RPA「Blue Prism」を導入

導入効果

  • 特殊な作りとなっているサイトで失敗していた「ボタンを認識して押下する処理」が、JSOLの支援で確実に成功

  • サーバー型のRPAで野良ロボットの発生を防止

  • Blue Prism のスケジュール機能で、従業員がいない深夜帯にロボットを自動実行

  • 自動送信するメールの内容も細かく設定。Blue Prism の自由度の高さと小回りの良さを有効活用

スポーツ小売業界のトップランナーとして全国400の店舗と、EC、モールを展開

 日本各地にスポーツ用品店を展開するアルペングループ。「スポーツをもっと身近に」をパーパスに掲げ、「アルペン」「スポーツデポ」「ゴルフ5」「アルペンアウトドアーズ」など、全国に約400店舗を運営するほか、自社ECサイト、各種モールでもネット販売を展開している。都市型旗艦店として、2022年4月に「Alpen TOKYO」を、2023年9月に「Alpen FUKUOKA」をオープンするなど、新しい挑戦にも積極的に取り組んできた。
 執行役員 デジタル本部長 兼 情報システム部長の蒲山雅文氏は、近年のITのテーマとして「内製化」を挙げ、「スピード感が重視される小売業の世界で、外部のクラウドサービスなどを組み合わせながら、できることを実現していこうと考えています」と語る。
 そして内製化を進める中で新たに導入を検討したのがRPA(Robotic Process Automation)だった。RPAは、ユーザーが繰り返し実行する定型的なパソコン操作をソフトウエアロボットに代行させる、作業負担軽減ソフトだ。

左)株式会社アルペン 執行役員 デジタル本部長 兼 情報システム部長 蒲山 雅文氏
右)株式会社アルペン 情報システム部 デジタルプランニンググループマネジャー 尾林 寿隆氏

左)株式会社アルペン 情報システム部 デジタルプランニンググループ 玉置 貴洋氏
右)株式会社アルペン 情報システム部 オペレーショングループ 北浦 康司氏

内製化の一環としてRPAを導入。クラウドサービス間の連携強化へ

 RPA導入の目的を蒲山氏は、「内製化ではさまざまなクラウドサービスやETLツールを組み合わせて活用していました。ところが、ETLの利用を許可しないクラウドサービスでは、データの自動取得ができず、システム間連携に課題を感じていました。その問題解決に役立つものとしてRPAに期待したのです」と語る。
 ETLが利用できなくても、クラウドサービスには、ユーザーが画面上で操作をすることでデータを取得できる機能が用意されていた。であるなら「RPAを使えばその作業を自動化できる」と考えたのである。
 手始めに簡易的なRPAを導入してみたが、情報システム部 デジタルプランニンググループの玉置貴洋氏は「うまく動かないシーンがたびたび発生した」と語る。特に、重要な用途に使うクラウドサービスで機能しなかったことから、2022年に別のRPAへの切り替えを検討し、主要な製品を試してみた。
 「特殊な機能が作り込まれているクラウドサービスの画面では、例えば選択したいボタンの要素をRPAが取得できないことも起こります。そうなると、ロボットがそのボタンを押下できずに、処理に失敗してしまうのです。主要なRPAを試用したところ、ボタン要素の取得が全くできないものもある中で、成功率が最も高かったのがBlue Prismでした」(玉置氏)

JSOLの支援によりBlue Prismの課題を解決。導入後もさまざまなサポート

 しかし成功率が高いとはいえ、「Blue Prismでも失敗することもある。業務で使うには確実性が低い」と玉置氏は苦慮していた。そこにたまたま来社したJSOLが「RPAも手掛けている」と耳にして、相談してみたところ状況が一変した。
 「私たちが苦労していたボタン要素を取得するロボットを、JSOLが作ってくれたのです。JSOLがいなかったら、Blue Prismの導入も諦めていたでしょう」(玉置氏)
 この出来事がきっかけとなり、採用が決定した。Blue Prismがサーバー型であった点も、アルペンの目指すIT活用の方向性に合っていた。情報システム部 デジタルプランニンググループマネジャーの尾林寿隆氏はその理由を「クライアント型の場合、RPAを稼働させるパソコンを用意しなくてはいけませんが、ローカルの端末をロックせずに動かしておくのはセキュリティー、安定稼働上の懸念があります。その点、サーバー上でロボットが稼働するBlue Prismは安心です」と語る。
 またクライアント型のRPAでは、現場のユーザーが自由に開発した結果、管理できない野良ロボットが生まれがちだが、許可されたユーザーだけがロボットを作れるサーバー型なら野良ロボットを防止できる。
 さらに開発ライセンスがフリーな点も大きな魅力だったという。将来開発を強化しようとしたとしても、コストが増えることがない。
 Blue Prismのインストールを終えた後には、1、2カ月かけてトレーニングを受けた。
 「Webに用意されたカリキュラムで一通りトレーニングを受ければ、基本的な操作はほぼ習得できます。ただ理解が難しいところはJSOLに支援していただき、質問に答えてもらったり、勉強会を開いてもらったりしました」(玉置氏)
 ロボット開発を担当している情報システム部 オペレーショングループの北浦康司氏は、「Blue Prismから開発のベストプラクティスやテンプレートが提供されますが、当社に適した形とは限りません。そこでJSOLから、当社の環境にあった使い方、ロボットの開発方法などのアドバイスを受けました」(北浦氏)
 作ったロボットがうまく機能しなかった場合に、JSOLが代わりに開発することもあった。
 「JSOLが作ったロボットを見ると非常にスマートな構成で、その後の開発の参考にしています」(北浦氏)

ユーザーの負担軽減、時間短縮だけでなく、ユーザーがいなくても「決まった時間に確実に実行できる」利点

 Blue Prism導入初年度の目標として蒲山氏が掲げたのは「10部署での利用」だった。そして開発したロボットは約20個に達する。中でも現場に喜ばれているのが、マイカー通勤する店舗従業員の駐車場利用申請だ。利用者は年1回の更新手続きが必要なため、人事部は更新時期を伝えるメールを対象者に送っているが、「人事部が忙しい時期と連絡メールの発送時期が重なりがち」という課題があった。
 「平均すると毎月100名分に上るメール送信はやりたくてもできなかった。Blue Prismのおかげで自動送信が可能となり、現場の負担なしに実現することができました」(北浦氏)
 Blue Prismのスケジュール機能を使って、深夜に処理を実行するロボットも役立っている。アルバイト面接では、履歴書情報入力アプリから人事システムへデータを転記するが、その処理を深夜23時に自動実行するロボットを作った。
 「朝には確実に完了していないと、翌朝からの後続処理ができません。実は以前のRPAでも同じ処理を実行していたのですが、長時間を要するのが問題でした。Blue Prismでは10分の1の時間で終わります。もし数百人の応募が来たとしても問題なく完了するでしょう」(玉置氏)
 担当者の負担軽減、時間短縮というメリットだけでなく、決まった時間に決まった処理を確実に実行できる利点も大きい。
 ロボット開発を担当している北浦氏は、Blue Prismの自由度の高さを評価している。
 「Blue Prismは、送信メールの内容を細かく調整できるなど自由度の高さがメリットです。またロボットにループを仕込むことで、処理に失敗したときに自動的にリトライさせるなどいろいろ工夫できます」(北浦氏)

RPA導入によって内製化の幅が一気に広がった

 Blue Prism導入2年目の目標として蒲山氏が掲げたのは「5000時間の作業削減」である。
 「例えば、400店すべてで1時間かけて実行している作業をなくせば、それだけで400時間を削減することができます。また、限られたスタッフが長時間かけている高負荷の作業をなくすことができれば、新たに時間を創出することができます。現場のキーマンと一緒に、自動化すべきところを探している途中です」(玉置氏)
 導入の副次的な効果として、蒲山氏は「内製化の発想の幅の広がり」を挙げる。
 「ローコードツール、ETL、BI、データウエアハウスなどを組み合わせて内製化を推進してきたところに、RPAが加わりました。以前は、この4種類のツールで実現できないとなれば、と諦めていました。ところが『人間の操作で実行できる作業』であれば、RPAが実現できます。ツールが増えたことで内製化の幅が一気に広がったのです」(蒲山氏)
 そして将来を見据えて、玉置氏は「Blue Prismには可能性を感じています。将来のロードマップには生成AIとの連携も上げられています。生成AIが利用できれば開発時間も短縮化でき、RPA推進もスピードアップできるでしょう。Blue Prismも進化していく中で、JSOLには専門的な知見を生かして、これからも支援していただきたいと思っています」と語った。

左から、JSOL 西村 哲平、小高 庸平、株式会社アルペン 尾林 寿隆氏、蒲山 雅文氏、北浦 康司氏、玉置 貴洋氏、JSOL 前田 彩花

企業情報

株式会社アルペン様 ロゴ

会社名

株式会社アルペン

所在地

愛知県名古屋市中区丸の内二丁目9番40号 アルペン丸の内タワー

設立

1972年7月

事業内容

各種スポーツ用品、ゴルフ用品、アウトドア用品等の商品開発、販売。ゴルフ場、スキー場、フィットネスクラブの経営

WEBサイト

(2023年10月現在)


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