固有のルールやプロセスが多い経費精算を、SAP Concurで抜本的にシンプル化。ペーパーレス、デバイスフリーな経費精算で、申請手続き、管理の負荷を大幅軽減
第一三共株式会社では、生命関連企業として、製薬業界特有の法規制と自社の業務要件に対応するため、複雑な請求書処理ルールや申請プロセスを設計しオンプレミスの経費精算システムを構築してきた。2020年、ワークスタイルの変革や法規制への迅速かつ柔軟な対応、DX化のさらなる推進を目指し、経費精算システムのクラウド化を決定。その基盤として選ばれたのが経費精算のためのSAP Concurであり、その導入を支えるパートナーとして選定されたのが、製薬業界と経費精算業務改革の知見を持ったJSOLだった。
課題・解決・効果
課題
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製薬業界の法規制や自社の業務要件に対応するために、経費精算業務が煩雑化し、現場の負担が増加していた
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領収書や請求書の精算が紙を前提としたプロセスであったため、直行直帰が多いMRも経費精算のために出社を余儀なくされており、財務経理部門も証憑の照会が手間だった
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経費の種類ごとに、必要な書類や計算ルール、精算プロセスが異なり、差し戻しも多く発生していた
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電子帳簿保存法や消費税インボイス制度への対応など、環境変化への迅速かつ柔軟な対応が求められていた
解決
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経費精算システムとして「SAP Concur」を採用
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領収書精算「Concur Expense」、請求書精算「Concur Invoice」、AI-OCR「Remota」、証憑保管クラウドサービス「Climber Cloud」、データ連携・変換処理基盤「Jʼs Cloud Bridge」を組み合わせて導入
導入効果
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領収書精算、請求書精算、証憑保管にデファクトスタンダードのSaaSを適用することで、環境変化への素早い対応を実現
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AI-OCRも採用し、経費精算入力時の現場負荷軽減に成功
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社外やスマートフォンからの経費申請が可能に。直行直帰の多いMRも経費精算のためだけの出社が不要となり、本来の業務に注力しやすい環境に
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データのクラウド化により、領収書、請求書の管理や照会など、柔軟な経費の管理が可能に
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煩雑だった経費精算プロセスもSAP Concurにあわせて見直し、シンプル化、標準化
120年の歴史を礎に、より高い治療満足度を目指して
「世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献する」というパーパスのもと、新薬の研究開発に取り組んできた第一三共。これまで、医療従事者や患者の皆さま、そして社会全体に貢献するために、さまざまなソリューションの導入や自社開発を進めてきた。
デジタル&テクノロジー部 ソリューションデザイングループ 主任の黒澤柊氏は、本プロジェクトの背景として、「固有業務や経費精算などの日常業務の煩雑さに課題感を持っていた」と語る。
そこで、新たな働き方の実現を目指す「DS Smart Work」プロジェクトのもと、業務プロセス、間接業務の効率化に着手した。その一環として2020年から取り組み始めたのが経費精算システムの再構築である。

左)第一三共株式会社 グローバルDX デジタル&テクノロジー部 ソリューションデザイングループ 黒澤 柊氏
右)第一三共株式会社 財務経理部 税務グループ 主任 田上 達彦氏
固有のルール、プロセスが多い経費精算が働き方改革のポイントに
それまでの経費精算システムはオンプレミスで構築したもので、紙の領収書、請求書を前提とした複雑な経理プロセスだった。取り組みのきっかけを「新型コロナウイルス感染症が拡大したこともあり、紙の領収書、請求書をなくそうという機運が高まりました。あわせて、複雑だった経費の業務プロセスをシンプル化、標準化しようとペーパーレスの実現を目指しました」と黒澤氏は語る。
当時の経費精算システムは、経費精算時、印刷した台紙に証憑を添付して回覧していた。
製薬会社ならではの複雑な業務プロセスも少なくなかった。例えば、医師や薬剤師に正しい薬の情報、適正な使用法、安全性や注意点などを伝えるMR(医薬情報担当者)。その業務で生じる多種多様な経費、製薬業界特有のルールなどに対応するため、さまざまな業務プロセスがあった。「税制の変化や新しいタイプの取引の発生により、添付する証憑や手続きのルールを増やしてきた結果、複雑なプロセスになっていました」と財務経理部 税務グループ 主任の田上達彦氏は説明する。
現場のMRからは「業務上直行直帰も多い中、経費精算のためだけに出社するのは無駄も負担も大きい」「経費の種類ごとに添付する証憑や日当計算ルール、精算プロセスが異なり、計算や申請に手間がかかる」という声も挙がっていた。
SAP Concurを中心に複数のSaaSを組み合わせた形を、明確な青写真にして提示
「DS Smart Work」プロジェクトは、経費精算システムの刷新とあわせて「業務プロセスのシンプル化」についても同時に目指し、スタートした。いくつかのベンダーに声をかけてコンペを行った結果、採用に至ったのがJSOLの提案だった。
その提案内容は、コンカーが提供する「SAP Concur」を活用するものだった。SAP Concurは、特に製薬業界でのシェアが高く、グローバル市場で見てもデファクトスタンダートともいえるソリューションである。
ただ、SAP Concurだけでは製薬業界や自社要件へのGAPや、証憑の電子保管(電子帳簿保存法)に対応しきれないといった課題もあった。そこでJSOLは、領収書精算の「Concur Expense」、請求書精算の「Concur Invoice」、AI-OCRの「Remota」(ファーストアカウンティング)、証憑保管クラウドサービスの「Climber Cloud」(NTTデータビジネスブレインズ)、さらに各ソリューションがデータ連携しながら正しく機能するようにJSOLのデータ連携・変換処理基盤「Jʼs Cloud Bridge」を組み合わせる方法を提案した。
OCRについては、Concur Expenseには内蔵のAI-OCR機能を用いつつ、Concur Invoice向けには豊富な連携実績があり、インボイス制度にも対応可能なRemotaを提案した。証憑を保管するためのClimber Cloudは電子帳簿保存法の法的要件を満たしていると判断された「JIIMA認証」を取得している。
「いくつものクラウドサービスを組み合わせると、どのサービスが何の役割を持つのか把握しにくくなります。しかし、JSOLが精算プロセスの流れや各サービスの連動を把握できる青写真を示してくれたので、全体像をつかみながら相談できました」(田上氏)
黒澤氏は、JSOLを選んだ理由として「製薬業界における知見」「固有ルールへの理解」を挙げた。
「以前から当社と取引のあったJSOLは、製薬業界にも詳しく、当社固有のルールも把握していました。そのうえで、あるべき経費精算の形を提示して、SAP Concurを提案してくれたのです」(黒澤氏)

現場のニーズを掘り下げてすくい上げたJSOLの手腕
プロジェクトは、2段階に分けて進められた。最も効果が大きいと見込まれた「Concur Expense」を先行して2020年から2021年にかけて導入、その後改めて提案を行い、2023年に「Concur Invoice」「Remota」「Climber Cloud」「Jʼs Cloud Bridge」を導入した。
以前は、経費の種類によってプロセスが異なっていたが、共通化できるものは1プロセスにまとめ、頻度の低い経費、使われなくなった経費はプロセス自体を削除するという方針で一つひとつ見直していった。
それらの策定時には、「JSOL主導によるワークショップが役立った」と黒澤氏は振り返る。「経費精算は多くの部門、全社員に関係するものです。ワークショップではJSOLが、各部署のキーパーソンから現場の意見をすくい上げ、活発に議論できるようにファシリテートしてくれました」(黒澤氏)
出社せずに経費精算を可能に。MRの負担は大幅に削減、経理の管理負担も軽減
SAP Concur導入によって、スマートフォンでも経費申請できるようになり、ペーパーレス、ロケーションフリー、デバイスフリーな経費精算が実現した。
「わざわざ出社しなくても申請が可能になり、浮いた時間を本来注力すべき業務に充てられるので、MRの生産性向上にもつながります」(黒澤氏)
Concur Expense上では毎月1,000件を超える経費処理が実行されるようになった。さらにOCRの自動入力などにより入力時間も短縮され、導入以前に比べて1件当たり約1~2分削減できている。削減時間はわずかであっても、約9,000人もの従業員が利用しているので、全社で見ると膨大な時間の削減が見込まれる。
データの正確性も向上している。以前はユーザーの入力漏れ、間違いなどで申請の差し戻しも少なくなかった。だが現在はAI-OCRによる自動入力や入力時のナビ機能でミスも少なくなり、差し戻しの数も減っている。
「経理部門の負荷軽減も大きい」と田上氏は語る。以前は異なるシステムに分かれていた請求書払い、立替精算、法人カード精算などの諸精算も統合して管理できるようになり、正確かつリアルタイムに経費の利用状況が可視化できるようになった。またConcur Invoiceによって請求書をPDFファイルで送受信できるようになったことで、郵送の手間や紙の伝票の受け取り、保管場所の問題が大幅に削減できた。
「証憑を確認したいときも、倉庫から取り寄せる必要がなくなり、画面上で検索してすぐに確認できるようになりました。Climber Cloudによって保管場所も不要になり、そのスペースを新しい業務に活用しています」(田上氏)
キャッシュレスやBIの活用へ。グローバル市場強化への支援にも期待
今後の法人カードの利用増によるキャッシュレスの推進やBIの活用などに田上氏は期待する。
「SAP ConcurのBIツールを活用すれば、支出データや業務プロセスの改善、ガバナンスやコンプライアンス向上のための分析も可能である旨を聞いています。この点、JSOLによるさらなる支援に期待しています」(田上氏)
黒澤氏が期待を寄せるのはグローバル市場での支援だ。
「第一三共が世界で活躍し続けるには、ビジネスを支えるITシステムも重要です。今後グローバルでの業務標準化やITシステムの統合を推進する上で、JSOLには当社固有の業務理解やシステム面の専門性を活かした協力だけでなく、グローバル案件の支援なども期待しています」(黒澤氏)

左から、JSOL 斉藤 雄介、中村 翼、第一三共株式会社 田上 達彦氏、黒澤 柊氏、JSOL 西尾 亜沙美、植田 翔太
企業情報

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会社名
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第一三共株式会社
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所在地
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〒103-8426 東京都中央区日本橋本町三丁目5番1号
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設立
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2005年9月28日
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事業内容
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医薬品の研究開発、製造、販売など
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WEBサイト
(2024年05月現在)
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