テレビ東京グループの会計システムをBiz∫で刷新~放送業会計テンプレート「J's-TV」で多角化するメディア事業の進化をサポート~
テレビ東京グループでは、オフコンベースで構築した会計システムを長期間にわたり使用してきたが、法改正対応や新事業への拡張が容易でなかった。そこで2020年4月にシステム刷新プロジェクトを始動、NTTデータ・ビズインテグラルの国産ERP「Biz∫」をベースにしたJSOLの放送業会計テンプレート「J's-TV」を採用。全社的なペーパーレス化とデータ活用基盤の確立を実現した。
課題・解決・効果
課題
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従来のオフコンベースの会計システムでは法改正対応や新事業への機能拡張で大きな工数が発生
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紙の伝票を前提とした業務プロセスのため、経理は紙の伝票を処理する必要があった
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番組ごとの費用、収益のタイムリーな把握が難しい
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ペーパーレス化や外部サービスとの連携が求められていたが、スクラッチシステムのためタイムリーな対応が困難だった
解決
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実績を持つ国産ERPパッケージ「Biz∫」をベースにJSOLが開発した、放送業ノウハウを凝縮した「J's-TV」を導入
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クラウド(AWS)環境に移行し、BIツールとの連携によりデータ活用基盤を整備
導入効果
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全社的なペーパーレス化・電子承認を実現。場所を問わず経費精算や申請が可能に
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番組ごとの収支をリアルタイムに把握できるようになり、経営判断に必要なデータを迅速に取得
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グループ会社で会計システムを統一、グループ間でのデータ活用が推進。より正確な連結経理を実現
レガシーシステム刷新の背景
独自の切り口によるコンテンツ制作力を強みに、経済・バラエティー・アニメなどの分野でファンの支持を集めているテレビ東京グループ。現在は放送のカテゴリーを超えて、デジタル・グローバル・イベントなどあらゆる接点でコンテンツ価値を最大化させる戦略を推進している。
事業の発展・多角化を進める中で課題となったのが、約30年前に構築した会計システムだった。その旧会計システムは放送を前提に設計されており、事業を放送以外にも幅広く拡大している現状に即したシステムの導入が求められた。
経理局 経理部の梅村隼氏は、「従来のシステムは全て紙の伝票を印刷し、上長に手渡しして社内の承認に回していました。数多くの紙の伝票を処理していました」と当時の課題を語る。
また、番組ごとの費用や収益を分析しようとしても旧会計システムではコンテンツごとの収支を集計するのに時間を要するという課題もあった。経理局 経理部長の大平靖幸氏は「AIやBIでデータを分析、活用するには高いデータ品質が必須ですが、以前の会計システムから出力されたデータを整えるには膨大な工数が必要でした」と説明する。
現場の制作スタッフからはペーパーレス化に対する強い要望があった。ロケや取材は現場での支払いが多く、事前に先払いした上で後日正しい額で精算するなど、通常の処理よりも手続きが増える。
さらに旧会計システムはスクラッチシステムであったため、インボイス制度や電子帳簿保存法などの法改正への対応はもちろん、新事業のための機能拡張などが困難となっていた。システム基盤となっていたオフコン自体も保守の最終期限が迫り、会計システムを更新せざるを得ない状況となっていたのである。
テック開発局 DX開発センター副部長の倉持雅士氏は「会社として根源的な刷新を選択しました。そこで『放送局という公共性の高いインフラを維持しつつデジタル競争力を強化するためには、レガシーOSからの完全脱却と、クラウドネイティブな環境への移行が不可欠』という全社的なコンセンサスを形成し、会計システムの刷新プロジェクトが始動しました」と語る。

左)株式会社テレビ東京ホールディングス 経理局 経理部長 大平 靖幸氏
中)株式会社テレビ東京ホールディングス 経理局 経理部 梅村 隼氏
右)株式会社テレビ東京 テック開発局 DX開発センター 副部長 倉持 雅士氏
「Biz∫」をコアにした「J's-TV」の採用で、30年ぶりの基幹システム刷新へ
当時の状況について倉持氏は、「一般的な企業で用いられている会計システムではテレビ業界特有の複雑な会計処理への対応は難しく、他のテレビ局の状況を見ながら適切なタイミングを測っていました」と説明する。
そうした中で耳にしたのが、他の放送局でも確かな導入実績を持っている国産ERPの「Biz∫」だった。JSOLは、「Biz∫」と会計フロント/ワークフローエンジンの「intra-mart」を基軸にJSOLが開発した放送業向け会計テンプレート「J's-TV」を提案し、採用された。
JSOLを選定した理由として、倉持氏は「放送業界特有の商慣習に対する知見を持ち、またNTTデータのグループ会社なので技術力もある」点を挙げた。
また、導入を決定づけたポイントのひとつは
「少人数かつ短期間でFit to Standardを完遂したいという要求に対して柔軟かつ、論理的な提案をいただいたこと」(倉持氏)。さらにAWSを活用したインフラの設計能力も評価された。
そして2020年4月に会計システムの刷新プロジェクトがスタートし、2024年8月にテレビ東京、テレビ東京ホールディングス、BSテレビ東京の3社で稼働を開始した。
透明性の高いプロジェクト推進と長期間にわたる30年分のデータ移行
JSOLに対する印象について、倉持氏は「課題に対して真摯に向き合ってくれました。30年分のデータ移行という難易度が高い工程においても、リハーサルを繰り返し、粘り強く伴走してくれました」と評価する。
また、プロジェクトマネジメントについても、評価をいただいた。
先行3社に続いて、2025年8月にはグループ会社11社にも導入した。梅村氏は「それまではグループ会社ごとに異なるシステムを使っていたため、データの扱いに差異が生じることもありました。しかし全社で共通のシステム(Biz∫)を利用するようになったことで解消されました」
この導入プロジェクトはテレビ東京グループ内でも高く評価され、2025年に創設された社内の表彰会において第1回グランプリを受賞している。
データドリブン経営の基盤として、AI活用も視野に入れたさらなる進化へ
J's-TV導入の効果について、倉持氏は三つの成果を挙げる。一つ目は、業務プロセスの抜本的な改革。二つ目はガバナンスの強化。そして三つ目がデータ活用基盤の確立である。
それらの効果について倉持氏は、「全社的なペーパーレス化と電子承認の実現により、場所に縛られない柔軟な働き方が可能になりました。またガバナンスが強化されたことで、職務分掌に基づく権限管理とシステムログの可視化が可能になり、内部統制のレベルを一段高めることができています。さらに、AWSへのクラウド統合とBIツールとの連携によってデータ活用基盤が確立され、財務データのリアルタイムマネジメントが実現できました」と説明する。
今後の展望について、倉持氏は「短期的には全社的なデータリテラシーの向上を図り、セルフサービスBIによる現場主導のKPIマネジメントを定着させたい」と説明する。その上で、中長期的には「財務会計データを管理しつつ、その中に視聴率やSNSでの反応、配信ログなどの非財務データを統合することで、コンテンツ投資のROI最大化を目指した予測型分析の導入を目指しています。IPへの投資判断においても、今回整えた会計データをしっかりと活用していきたいと考えています」と展望を述べた。

左から、株式会社テレビ東京ホールディングス 梅村 隼氏、株式会社テレビ東京 倉持 雅士氏、
JSOL 河原 勇美、新井田 亮
企業情報

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会社名
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株式会社テレビ東京ホールディングス
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所在地
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〒106‐8007 東京都港区六本木3-2-1 六本木グランドタワー
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設立
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2010年(平成22年)10月1日
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事業内容
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株式等の保有を通じての企業グループの統括、運営等を行う認定放送持株会社
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WEBサイト
(2026年03月現在)
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