データドリブン経営の実現に向け、データ統合基盤を構築し、営業DX・生産DXを推進。データのサイロ化を解消し、経営の意思決定の迅速化・業務効率化を実現

日本企業として初めてソフトクリームの販売を手掛けた日世。国内唯一のソフトクリーム総合メーカーとして、独自のビジネスを展開してきた同社では、データのサイロ化や販売・生産・物流・会計データの利活用などに課題を抱えていた。その課題を解決し、データドリブン経営やDXを実現するためのパートナーとして選定されたのがJSOLだった。JSOLは、DXコンサルティングとして支援するほか、マスターデータ管理や統合DB(クラウドDWH・BIツール)、RPAなど、さまざまなソリューションを複合的に導入した。

キーワード

業務

業種

課題・解決・効果

課題

  • 各部門が個別にシステムを導入した結果、データがサイロ化していた

  • 主要マスターも統一されておらず、正しいデータの分析や共有が困難だった

  • それぞれの業務システムからデータを集約する作業が手動だったため、データの整理、分析が負担だった

解決

  • 現状分析・構想策定のうえ、IT中計に沿った実行計画を策定し、デジタル化の推進を支援

  • MDM(J-MDM)、統合DB(Snowflake)・BI(Qlik Sense)、RPA(BluePrism)をAWS上に構築

  • マスターを整備し、全社統合基盤でデータを一元管理したうえで、経営部門向け、営業部門向けにダッシュボード(BIレポート)を提供

導入効果

  • 経営(KPI)レポートのEXCEL作成からBIレポートへの移行により、柔軟なデータ分析が可能となり、経営層のデータ活用に関する意識が向上

  • 現行EXCEL業務をデータベース化(自動化)することで、現場担当者の業務負荷を軽減

  • データ活用を高度化し、在庫適正化・生産計画の精度向上(ロス削減)などを実現させる基盤を整備

国内唯一のソフトクリーム総合メーカーとして地域に貢献

 ソフトミックスやコーンだけでなくフリーザーなどの機械類もワンストップで提供している日世。国内唯一のソフトクリーム総合メーカーとして1947年に設立して以来、「事業を通して『笑顔あふれる幸せづくり』に貢献していく」という経営理念のもと、販売店や観光地の声を聞きながら製品開発に取り組むことで飲食・小売業界の発展を支えてきた。
 そのビジネスについて、情報システム部 部長の堤 利典氏は「ソフトクリーム市場ではシェアナンバーワンを占めています。厳選素材を用いたプレミアム生クリームソフト『CREMIA』といった付加価値の高いソフトクリームや、旬の味、地域に特化した味のように季節を問わず楽しめるソフトクリームなど、バリエーション豊かな商品を展開して、地域の活性化に貢献していきたいと考えています」(堤氏)

日世株式会社 情報システム部 部長 堤 利典氏

データドリブン経営やDX推進を実現するデータ統合基盤構築

 日世では、2020年に第5次中期経営計画を策定し、データドリブン経営や営業DXを目指すプロジェクトに着手した。その実現のために2021年6月、堤氏はJSOLにDXコンサルティングとしての支援を依頼した。
 「JSOLと話し合ううちに、『経営層が想定している方向性を整理するべき』という考えが固まりました。そして日世情報システム部、JSOL共同で経営インタビューを実施することになったのです」(堤氏)
 このインタビューから三つの将来構想が生まれた。一つ目は『業務に関わるあらゆるデータを集約して分析可能なデータベース基盤を構築する』こと。二つ目は、『構築したデータを活用して営業部門・生産部門・物流部門の業務効率化(生産性向上)を図る』こと。そして三つ目が『それらを販売管理や会計システムと連携させて、全ての業務システムが有機的につながるようにする』というものだった。まずは、一つ目の構想の実現に向けて、
経営企画部が中心となって新しいKPI体系の整備を実施する事から検討を始めたが、この将来構想の実現に向けて大きな妨げになっていたのが、サイロ化した業務システム群だった。生産管理、販売管理など業務ごとにシステムが独立しており、データ連携が難しかったのである。そのため「各現場がデータを抱え込む形になり、データの共有、利活用が困難」「それぞれのシステムから必要なデータを集める作業が負担」「せっかくのデータを生かせず、データドリブン経営から乖離している」といった問題が生じていた。
 「まずは全ての業務システムを統合するデータベースの構築が必要だと考えました。取引先や商品のように全部門が共通に利用する情報は全社統一したマスターデータとして一元管理し、各業務システムのデータもデータ統合基盤に集約すれば、データドリブン経営に必要な分析が容易になります。将来的には需要予測や生産計画立案にも役立つことでしょう」(堤氏)

データ統合基盤やBI、RPA、AIを順次導入し、将来構想の実現へ

 データドリブン経営および営業DXの実現に向けたシステム構築に向け、2022年11月には複数のSIerへRFPを提示。コンペを経て選定に至ったのがJSOLの提案だった。JSOLはマスターデータ管理ソリューション(MDM)の「J-MDM」と、クラウドDWHとしての「Snowflake」(Snowflake)、BIツールの「Qlik Sense」(アシスト)を導入し、分析しやすいデータ統合基盤を、AWS上に構築する計画を提案した。さらにRPAの「Blue Prism」(Blue Prism)や生成AIの活用も加えた。
 「J-MDMは権限やワークフローを細かく設定できる点を評価しました。Snowflakeは基本機能、処理性能、拡張性はもちろん、天候や人流などのオープンデータを活用できる点が魅力的です。ソフトクリームの売り上げは天候や人の動きに左右されがちなので、こうしたオープンデータは需要予測に寄与すると考えました。また、Qlik Senseの選定にはユーザー部門も参加し、操作性なども含めて評価を行い決定しました」(堤氏)
 堤氏は選定フェーズを振り返りながら、「JSOLはRFPの意図を深く汲み取って、複数のソリューションを提案し、将来構想の実現に向けた最適な形を一緒に考えてくれました。また、導入に際してはコンサル的な対応をしてくれた点もありがたかった点の一つです」と評価する。

各部門の議論にJSOLが参加。複数のソリューション導入も、ワンストップな対応で支援

 3カ年計画として導入プロジェクトを開始したのは2023年。初年度のステップ1では、マスターデータとデータ統合基盤を構築し、BIを使ったデータドリブン経営の実現を目指した。2年目のステップ2では営業DXとして需要予測や訪店計画、3年目のステップ3では手作業で行っていたデータ集約などの業務をRPAで自動化するなど、さらなる業務効率化を目指し、DXの加速、推進を狙う計画だ。
 プロジェクトのテーマが多岐にわたるため、日世では全社横断のユーザー参加型プロジェクトを立ち上げ、経営管理、生産管理、物流管理、業務改善、営業DX、システム共通の6部会を設置した。経営管理では全社的なKPIの体系化、生産管理では生産スケジューラ、物流管理では需要予測という形で、部会ごとに担当するテーマを分けてプロジェクトを実行していった。
 各部会の議論には、JSOLのメンバーも参加した。それについて堤氏は「アドバイスだけでなく、要件を整理して開発部隊に情報連携するなどの技術的な支援をもらえた点は、非常にありがたかったです」と評価する。
 「JSOLは過去の豊富な実績、経験をベースに、のちのち問題になりそうなポイントなど、私たちが見逃していた点を指摘してくれました。例えばデータの粒度。『分析に回すなら、データの粒度をもう少し細かく設定したほうがいい』といったアドバイスを受けたことで、精度の高い分析が可能となりました」(堤氏)
 またJSOLのJ-MDMだけでなく、他社のソリューションも導入しているが、それら全ての窓口をJSOLが務めた。
 「パートナー会社のソリューションであっても、JSOLが窓口としてワンストップで対応してくれたので、いろいろな調整が楽に進められました」(堤氏)

データの可視化、詳細な分析によりデータドリブン経営を推進

 全ての構築が完了するのはまだ先だが、ステップ1を終えた時点の手応えとして堤氏は、データ統合基盤によって全社KPIとしての商品BU(ビジネスユニット)別ROIC、ROAが可視化されたことを評価し、「データに対する認識の変化が現れている」と語る。KPIレポートを使い始めた経営陣からは「今、実際に売れているのはどの商品か」「赤字の商品があればすぐに知りたい」といった質問を受けるようになった。また「在庫の回転率や現在の在庫数はどういう状況か」「その賞味期限の商品はどれくらい残っているのか」といった細かい問い合わせにも即座に対応できるようになった。
 現在進行中であるステップ2の営業DXでは、将来の全社的な展開を前提に、地域を限定したスモールテストを行うなどの検証を開始した。例えば、これまでは訪問するべき店舗、提案すべき商品を営業スタッフが自ら考えて計画を立てていたが、自動で訪店計画を作成する仕組みを検証している。また、店舗に対する商品レシピや商品提案書を自動作成するといった試行も進めている。
 中でもさまざまな用途に期待しているのが生成AIの活用だ。
 「需要予測や生産計画は、これまで数人のベテランスタッフで担当しており属人化していました。今回データ統合基盤や生成AIを使った自動化に取り組んだことで、業務の標準化への道筋もできました」(堤氏)
 他にも在庫の適正化や原価管理、営業活動の効率化、市場分析、新規事業のアイデアなどにも役立てたいと考えていると堤氏は語る。
 「今回のプロジェクトで、経営インタビューから生まれた将来構想に向けた一歩が踏み出せました。その実現を目指してさらなるJSOLの支援にも期待しています」(堤氏)

左から、JSOL 井倉 吉彦、日世株式会社 枝松 秀樹氏、道慶 晋次氏、堤 利典氏、JSOL 小野田 学二、中井 美彩

企業情報

日世株式会社様のロゴ

会社名

日世株式会社

所在地

〒567-0042 大阪府茨木市宇野辺1-1-47

設立

1947年5月20日

事業内容

ソフトクリームの関連資材の製造販売、乳製品の製造販売、小型万能全自動充填機のレンタル、包装資材の仕入販売

WEBサイト

(2025年02月現在)


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