業務システムごとに個別運用されていたマスターデータの管理を「J-MDM」に統一。会社の成長を止めない、将来の変化に対応できる柔軟なマスターデータへ
ロート製薬では、これまで生産管理や販売管理などの業務システムごとにマスターデータを個別管理していた。その結果、システム間での情報連携がうまくいかず、データの正確性や整合性に課題が生じ、社員同士のコミュニケーションにも支障が出ていた。こうした状況を打開するため、全社的なプロジェクトとしてマスターデータの統一・管理体制の見直しを進め、JSOLのMDMソリューション「J-MDM」に着目することになった。
課題・解決・効果
課題
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分散管理の問題
各業務システムで個別に管理していたため、システム間の連携やデータ整合性に大きな課題があった -
手作業による運用の負担
データの登録・更新・連携が手作業で行われていたため、ヒューマンエラーが発生しやすく、メンテナンスにも多大な負担がかかっていた -
製品体系の把握不足
通常品、通常品の関連品、リニューアル品、季節限定品など、多岐にわたる製品同士の関係性を体系的に把握する仕組みがなかった -
分析に時間がかかる
データ分析に時間を要し、迅速な経営判断を下す上で障害となっていた
解決
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柔軟かつ拡張性に優れたMDMソリューション「J-MDM」を導入し、各種製品データを一元管理
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ワークフローは「intra-mart」を、業務システムとのデータ連携には既存で利用していた「ASTERIA Warp」を活用することで、効率的な運用体制を実現
導入効果
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分散していたマスターデータが「J-MDM」により一元管理され、システム間の連携も正確かつ整合性を維持できるようになった
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製品間の関係性もMDM上で一元管理されるため、各製品の体系が明確に把握でき、ノウハウの蓄積と共有が促進される。これにより、キャリア入社者も整理された情報を活用し、早期に業務に慣れて着実に戦力へと成長できる基盤が整った
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これまで、各担当者が知識を頼りに直接問い合わせながら行っていたデータの登録・更新・連携業務を、ワークフローによって仕組み化することで、業務の標準化と効率化が大幅に進んだ
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さらに、生成AI活用のためのデータ基盤としても「J-MDM」が貢献する体制が整った
お客さまの声を大切にする「モノ作り」で、健康と幸福(Well-being)の実現を目指す
1899年の創業以来、ロート製薬は、一般用医薬品やスキンケアの開発・販売を通じて、多くの人々の美と健康維持に貢献してきた。中でも目薬は国内トップシェアを誇り、メンソレータムブランドをはじめとする外用薬においても確かな存在感を発揮している。また、肌ラボを代表とするスキンケア関連事業も着実に成長を続けており、現在では事業の柱の一つとなっている。
「人々の健康と幸福(Well-being)を実現する」という経営ビジョン『Connect for Well-being』のもと、常にお客さまの声に耳を傾け、そのニーズを製品開発に反映。使いやすさや効果の追求により、数々のヒット商品を生み出してきた。
また、近年は再生医療分野への挑戦や、日々の健康を支える一つとしてエビデンスと信用に基づいた機能性食品の開発にも積極的に取り組み、海外市場においても着実な成果を重ねながら、さらなる革新と成長を追求する企業として進化し続けている。

左)ロート製薬株式会社 DX/AI推進室 データマネジメントグループ マネージャー 坂口 真規氏
中)ロート製薬株式会社 DX/AI推進室 データマネジメントグループ 前田 美咲氏
右)ロート製薬株式会社 基幹情報システム部 基幹アプリケーショングループ 蛭子谷 弘子氏
データ連携・分析と社内コミュニケーション向上のため、マスターデータを刷新
ロート製薬では、DX推進の一環として品目マスターデータの統合プロジェクトに着手しました。マスターデータには、製品名、JANコード、略称、サイズ、個数、危険物やアレルギー物質、税制、物流・保管に関する情報など、約50項目が含まれています。
しかし、DX/AI推進室 データマネジメントグループ マネージャーの坂口真規氏は「システムごとに個別管理していたため、どのデータが最新で正確なのか分からず、システム間の連携がうまくいかず、社員間や部門間でコミュニケーションロスが発生していました」と振り返る。
「特に、当社の約半数がキャリア入社であり、ベテラン社員との間で共通認識が求められる中、確認作業が負担となっていました。また、部署ごとに異なる略称やコードの使用が、情報共有の障壁となっていたのです。どのデータが正しくて、どのデータが最新なのかが分からないだけに、データを利用する際に、社員間や部門間でコミュニケーションロスが発生していました」と坂口氏は語る。
さらに、DX/AI推進室 データマネジメントグループの前田美咲氏は、「製品の変更履歴は追跡できるものの、その背景情報の記録は統一がされていませんでした。ロート製薬の製品は、通常品、リニューアル品、限定品などがあり、複雑な関係性を持っています。現在は関係性を把握しているベテラン社員の経験と知識によって補われていますが、人の異動や退職などを見据えると、組織全体で知見を蓄積し、活用できる仕組みの構築が必要だと感じていました」と語る。
こうした課題の解決策として、分散していたマスターデータを一元管理し、全製品情報を集約することで、誰もがよりスムーズにデータへアクセス・利活用できるようになり、部門間のコミュニケーションやデータ分析の効率化につながると考えた。
柔軟性に優れた「J-MDM」で、将来の変化にも対応可能なマスターデータ管理を実現
そこでマスターデータ管理システム(MDM)サービスを扱う数社に声をかけてコンペを行い、選ばれたのが柔軟性や拡張性に優れた、JSOLのMDMソリューション「J-MDM」、ワークフロー「Intra-Mart」(NTTデータイントラマート)だった。さらに業務システムとMDMのデータ連携には、すでにロート製薬が活用していた「ASTERIA Warp」(アステリア)を使うことで、導入コストを抑えることも提案した。
JSOLの選定理由として坂口氏は、提案の具体性と実現性を挙げ、「刷新しても既存の業務フローを大きく変えることは想定していませんでした。まずは現場ユーザーの業務を邪魔しないこと。そして今の業務がしっかり回り、間違いがなく手戻りが少ない、かつデータガバナンスが利くことが大前提と考えていたのです。JSOLの提案は『現場に納得してもらえる品目マスター統合システムを構築したい』というこちらの要件を的確に捉えたものでした。選定の際にはデモも実施してくれたため利用するイメージもつかみやすく、『これならなんとかなる』という印象を受けました」と説明する。
コストの面でもJ-MDMはバランスが良く、特にランニングコストの負担が軽かったため、長期的に見るとメリットが大きいと判断された。
中でも坂口氏が高く評価したのが、さまざまな業種業界における豊富な実績だった。
「製薬、化粧品、食品、素材、エネルギーなど、多様な業種で実績を持つということはそれだけ可変性が効くということです。当社は、健康と美に関するものは何でもやるという考え方なので、いろいろな用途に採用されている方が、これからのビジネスを固定化することなく変化に対応していけるものになるのではないかと期待しました」
旧システムからのデータ移行のためにデータクレンジングを実施した際にもJSOLの支援が役立った。JSOLは、旧データを取り込む際のエラーチェックツールや自動取り込みツールを開発し、確実に移行できるよう支援した。
基幹情報システム部 基幹アプリケーショングループの蛭子谷弘子氏が高く評価したのは、ワークフローとシステム連携の機能だった。
蛭子谷氏は「J-MDMは基本機能が充実しており、特にワークフロー基盤が優れていました。これにより、品目データの申請・承認プロセスの標準化が進み、効率的な運用が可能となりました。さらに、J-MDMのAPIや当社資産であるASTERIA Warpやジョブ管理システムを活用することで、業務システムとの双方向連携を実現しました。稼働中の業務システムとの連携はミスが許されない重要な工程でしたが、JSOLは慎重かつスピーディーに対応してくれたおかげで、スムーズに完了することができました」と語る。
全社員が活用するマスターデータが注目の的に。そして、生成AI活用の推進力としても期待

<システム全体図>
※Accel-mart:intra-martのワークフロー機能などをクラウドで提供するプライベートクラウドサービスです。
2024年6月より、各業務システムで統一マスターデータとして「J-MDM」が稼働を開始しました。まだ真価が十分に発揮される段階ではありませんが、J-MDMを利用してデータ発番を行うことが業務の起点となり、多くの社員から注目されています。
前田氏は、「これまで、販売関連のメンバーは販売系のシステム、生産関連のメンバーは生産系のシステムを使ってそれぞれが業務を進めていました。今回、マスターデータを全員が見られるようにまとめたことで、データをどう活用すれば全体としてうまく回るのかを考え、このデータが何のために必要なのかを意識するきっかけになってきています」と話す。
坂口氏は、今後の展望について「J-MDMの精度と信頼性がさらに向上すれば、データの活用の幅が広がり、全社的な業務改善につながると期待しています。特に、組織内で『誰が何を知っているのか』を的確に把握し、それを短時間で認識できることが重要です。そのためには、整備されたマスターデータ基盤が不可欠であり、これが生成AIの効果的な活用にも直結します。今後、これまで見えていなかった新たな効果も生まれる可能性があり、お客さまに信頼される企業であり続けるためにも、引き続きJSOLのサポートをお願いしたいと考えています」と抱負を語った。

左から、ロート製薬株式会社 蛭子谷 弘子氏、坂口 真規氏、前田 美咲氏
企業情報

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会社名
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ロート製薬株式会社
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所在地
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〒544-8666 大阪市生野区巽西1-8-1
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創業
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1899年(明治32年)2月22日
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事業内容
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医薬品・化粧品・機能性食品等の製造販売
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WEBサイト
(2025年04月現在)
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