さらなる業務多角化・事業成長を見据えた会計システム刷新プロジェクト。業界特有の会計業務・業務効率化も放送業会計テンプレート「J’s-TV」で実現
近畿広域圏の準キー局として、放送コンテンツや配信、映画やイベントなどを手掛ける読売テレビでは、20年以上前にフルスクラッチで構築した会計システムを利用してきた。しかし多様化するビジネス、度重なる法改正などへの対応に苦慮していたという。そこで2022年、新たな会計システムへの移行を目指して刷新プロジェクトを開始した。そして選ばれたのが国産ERPパッケージ「Biz∫」をベースとした放送業向けテンプレート「J’s-TV」、導入ベンダーはJSOLだ。
課題・解決・効果
課題
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会計システムが導入から20年以上経過し、ペーパーレス化への対応やその他ソリューションとの連携が課題に
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フルスクラッチシステムで、放送業特有の機能や、その他多くの機能が1つのアプリケーションとしてまとめられていた。標準パッケージそのままで使用できるものが存在せず、スコープも非常に広かった
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業務の多角化が進み、今後のビジネス展開を見据えた場合、現行システムとの適合性に将来的な限界も予想された
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インボイス制度など法改正に対応するため、システムリプレースの納期は厳守する必要
解決
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JSOLの放送業界のノウハウとソリューションを包含した「放送業向けテンプレート(J’s-TV)」を採用
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徹底した業務の棚卸により、アドオン開発を最低限に抑え適正なコストコントロールに成功
導入効果
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個々の業務を見直し、放送業界特有の会計業務もJ’s-TVで実現
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経費申請などの手続きを電子ワークフローで実現。紙伝票のやりとりや保管をなくし、ペーパーレス(電子化)を達成
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スマートフォンやOCR、交通費計算サイトとの連携で、いつでもどこでも経費精算が可能に。業務効率化・多様な働き方への対応にも大きく寄与
放送業の幅広い事業展開を支えてきたフルスクラッチのシステムを刷新
近畿広域圏のテレビ放送事業者として、情報番組やバラエティー、スポーツ、ドラマ、アニメなど、さまざまな放送コンテンツの制作、配信を手掛けている読売テレビ。映画への出資やイベント事業なども行ってきた。DX推進局 副部長の小林祥士氏は「現在は放送や配信、映画やイベントといった形でコンテンツを届けることが中心ですが、今後もさらに新しいテクノロジーが登場したり、コンテンツの楽しみ方は変化していくでしょう。コンテンツの提供形態が変わったとしても、これまで通りクリエイティブなコンテンツを皆さまにお届けしたい、楽しんでいただきたいと考えています」と説明する。
しかし、新たな事業展開のシステム上の課題となっていたのが、導入から20年以上経過した旧会計システムだった。経理局の広瀬孝昭氏は「フルスクラッチで構築され、都度拡張を繰り返してきた旧システムでは、新規事業に対して既存の予実管理のフォーマットに当てはめて対応していました。そのため柔軟性や迅速さに欠け、多様化するビジネスへの対応が難しかったのです」と語る。
さらに「近年では会計の領域においてインボイス、電子帳簿保存法など、たびたび法改正が行われています。フルスクラッチで構築された会計システムでは、法改正対応に必要となる機能も一から構築しなければいけませんし、対応に漏れが発生するリスクもありました」と続ける。
他にも、紙の伝票を前提としたシステムであったため、ペーパーレス化が進められない、外部サービスとの連携が難しいなどの課題も顕在化していた。
「旧会計システムは紙を前提としたシステムであったことから、経費申請の際には会社に戻って書類を印刷し、上長のハンコをもらう必要がありました。テレワークに対応できないですし、取材やロケなどで飛び回っている現場のスタッフには重い負担といえます」(小林氏)
また、紙の領収書・請求書をOCRで読み取らせたい、交通費計算サイトを使って自動入力したいというニーズはあっても、外部サービスとの連携機能を拡張するのも困難だったという。

左)讀賣テレビ放送株式会社 DX推進局 副部長 小林 祥士氏
右)讀賣テレビ放送株式会社 経理局 広瀬 孝昭氏
国産ERPの「Biz∫」を軸にしたシステムを採用。放送業向け会計テンプレート「J's-TV」にも期待
旧会計システムでは放送業特有の業務に特化した機能を拡張してきた。そのため、汎用的な会計システムへ切り替えたとしても機能が不足し、既存の業務に問題が出るのではないかという懸念もあった。
小林氏は「放送業特有の業務に対応させるには、大量のアドオン開発やカスタマイズの必要が生じるでしょう。そうなれば、コストやスケジュールが肥大化することが想定されました」と当時抱えていた懸念を語る。
2021年9月に開催されたコンペでJSOLが提案したのは、NTTデータ・ビズインテグラルのERPパッケージ「Biz∫」を軸に、会計フロント/ワークフローエンジンの「intra-mart」、JSOLが持つ放送業ノウハウを凝縮した会計テンプレート「J's-TV」、BIツール「Dr.Sum」(ウイングアーク1st)、請求書や支払い明細などの帳票をWebに出力する「楽楽明細」(ラクス)を組み合わせたものだった。
このプランなら、以下の効果が期待できる。
1)パソコンやスマートフォンで時間や場所を問わず経費申請などが可能に、2)OCRや他のサービスとの連携で入力の負担も軽減できる、3)従来の紙伝票の受け渡しや押印の作業を電子化、4)全てがintra-mart上のワークフローで完結できるので、完全なペーパーレス化も実現可能となった。
これにより、経理現場の負担軽減だけでなく、全社員の利便性を高め、働き方改革の推進にも寄与できる。
小林氏はJSOLの提案に対する印象を、「Biz∫は、全国的にも実績のある国産パッケージなので、会計領域に必要な機能は網羅しているだろうという安心感がありました。また同業の大手放送局でもJ's-TVの導入実績が複数あったことを踏まえ、たとえ機能が不足したとしても少ないアドオン開発で対応できるのではないかと考えました」と振り返る。
JSOLが持つ放送業界に対する知見にも期待があった。番組やイベントなどの予算実績管理、ギャラ精算、仮払申請など、放送業特有の会計業務に対応する機能を備えたJ's-TVには、それらの知見が詰め込まれていた。「今回のプロジェクトでは、放送業特有の会計業務を熟知したベンダーが求められていました。その点、他局での導入実績を持っているJSOLとBiz∫は心強い存在でした」と小林氏は語る。

安易なアドオン開発を避け、Biz∫の標準機能を最大限に生かすJSOL
その後、導入ベンダーとしてJSOLが選ばれ、2022年4月にプロジェクトが開始。2023年10月に新会計システムが稼働した。
JSOLのプロジェクトに臨む姿勢に対し、両氏は「構想策定時の綿密なやりとり」と「読売テレビ側の視点に立って対応してくれた点」を高く評価している。
「旧会計システムでは、放送業に特化した機能を開発し利用してきましたが、それらを全て新会計システムで実現しようとすると開発コストが膨れ上がります。そこでJSOLはそれらの機能を細かく検討し、どういう背景で実現したいのか、それは本当に必要なのか、最終的に何ができたらいいのかという点まで細かく確認してくれました」(広瀬氏)
「こちらの要望についても全てをアドオン開発で対応するのではなく、運用面での工夫や標準機能で解決できるアプローチを提案してくれました。これにより、適切なコストコントロールができたと考えています」(小林氏)

柔軟かつ将来性の高いシステム設計で、ペーパーレス化や業務の迅速化に成功
導入後の効果について、小林氏は「紙伝票から電子ワークフローになったことが一番大きい」と説明する。旧システムでは押印が必要だったため社外で経費精算などの業務を完結できないうえ、東京支社との間で書類などの物理的な輸送が行われていた。しかし、電子化が進んだ現在ではさまざまな働き方に対応できるようになり、東阪間の輸送の必要がなくなり、「時短に寄与している」と小林氏は説明する。
また経費精算申請をモバイルパソコンやスマートフォンで手続きできるようになったのは、「約600名に及ぶ全社員にとって大きなメリット」と広瀬氏は語る。以前は、経費精算のために出社する必要があったが、現在ではロケ先や取材先からでも申請ができるようになった。
「会社でしか申請できない時代は、たまった領収書をまとめて申請する場合もありましたが、これからは減っていくと見込まれます」(広瀬氏)
申請を受け取って処理する経理側も、紙のやり取りが不要になり、在宅勤務しながらでも電子ワークフローを使って業務が進められるようになり、柔軟な働き方が可能となった。
また旧会計システムでは難しかった他のシステム、サービスとの連携も容易になった。これにより、将来的な拡張も実現しやすくなると広瀬氏は説明する。
「現在では、領収書や請求書をOCRで取り込むだけで自動的に入力補助が行われ、交通費は計算サイトと連携して入力できるようになっています。作業が楽になっただけでなくミスも減ることは、経理としてもありがたいですね」(広瀬氏)
データドリブンを目指して、より良いコンテンツ制作を支えたい
これからの放送業を見据えて、広瀬氏は「テクノロジーの発展が著しい昨今、コンテンツの世界も大きく変わっていくかもしれません。経理部門にも、新しいビジネスや新規投資を積極的に支援するような柔軟性と攻めの姿勢が求められることでしょう。J's-TV なら、イレギュラーなビジネスであっても管理できると思います」と語った。
その上で、今回の新システムによってDX化が進んだことを小林氏は高く評価した。
「今回のプロジェクトでは、読売テレビで一番古いといってもいいシステムの刷新に成功しました。独自色の強いシステムを、汎用的なERPに移行でき、先進的なサービスと連携しやすいシステムが構築できたことはかなり大きな一歩です。JSOLからも『読売テレビが発展するために良いものを作ろう』という想いが伝わってきました。今後も読売テレビの目指す未来に向けて伴走していただきたいと期待しています」(小林氏)

左から、JSOL 木田 文平、讀賣テレビ放送株式会社 小林 祥士氏、広瀬 孝昭氏、JSOL 新井田 亮、中井 美彩
企業情報

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会社名
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讀賣テレビ放送株式会社
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本社所在地
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〒540-8510 大阪市中央区城見1丁目3番50号
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創立
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昭和33年2月13日
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事業内容
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放送法による基幹放送事業、放送番組の企画、制作および販売ほか
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WEBサイト
(2024年11月現在)
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2025年04月01日をもって、商号表記が「読売テレビ放送株式会社」へ変更になっています。
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